UEMについて徹底解説! MDMやEMMとの違い、メリットや注意点を紹介
UEMは、業務に使う端末を一元的に管理するためのシステムです。MDMやEMMと違い、端末の種類やOS・アプリケーションを問わずに管理可能な点が特徴です。今回は、UEMの特徴やメリット・注意点について紹介します。
目次
UEMとは何か?
UEMとは「Unified Endpoint Management」の略で、日本語に訳すと「総合エンドポイント管理」となります。UEMを活用することで企業が使っている全てのデバイスを一元的に管理し、包括的にアプローチすることが可能になります。
UEMが普及するまで、企業のデバイス管理はMDMやEMMで行われていました。MDMやEMMであっても、デバイスを管理することはできますが、様々なデバイスが業務に使われるようになってきた昨今、デバイスごとに管理ツールを変えるのは効率的ではありません。
UEMを活用することで、デバイスやOSに関わらず、組織内で使われているエンドポイントを全て管理することができます。
MDMとは?
MDMとは、「Mobile Device Management」の略で、日本語に訳すと「モバイルデバイス管理」となります。
MDMは企業が従業員に支給している業務用のスマートフォンやタブレット端末を一元的に管理することができるソフトウェアです。MDMは管理だけでなく、端末のセキュリティも強化することができます。
しかし、昨今は端末の管理やセキュリティ強化に加え、インストールされたアプリケーションの管理まで求められているため、MDMでは十分に要件を満たすことが難しくなっています。
EMMとは?
EMMとは、「Emterprise Mobility Management」の略で、日本語に訳すと「エンタープライズモビリティ管理」となります。
EMMは社内で業務に扱う端末を総合的に管理することを目的としたシステムで、MDMよりも管理可能な範囲が広くなっているのが特徴です。
テレワークの普及に伴い、オフィスに出社しなくても業務を進めることのできる環境が求められています。しかし企業が一人一人に業務用端末を用意するのは費用的負担が大きくなります。
そこで、今個人が私的に使っている端末を業務用として扱い、EMMで一元的に管理することで全体の費用を抑えることができます。
MDMやEMMとUEMの違いは
MDM・EMM・UEMはそれぞれ業務に使う端末を管理するシステムですが、どのような違いがあるのでしょうか。
最も大きな違いは、管理可能な端末が何であるかという点です。
MDMで管理可能な端末はモバイル端末のみで、EMMはモバイル端末に加え、タブレット端末やPCも管理可能となっています。
一方UEMは、各種作業用端末に加え、プリンターやIoTデバイスまで管理することが可能になっています。
UEMが普及している背景
UEMが普及している背景には、近年の劇的な業務環境の変化が挙げられます。これまで、企業は従業員に対して、業務用のモバイル端末を支給し、MDMやEMMを使って端末管理を行っていました。
しかし、新型コロナウィルスの影響もあり、管理すべき端末がモバイル端末だけでは不十分となり、使用する端末も個人のものに変わってきています。また、業務を行うのもオフィス内とは限らず、自宅や社外で行うことが増え、情報もリアルタイムで反映されることが求められています。
MDMやEMMを併用して管理を行うことも可能ですが、費用的にも管理者の労力的にも最適な状態とはいえません。そこで、端末やOS・アプリケーションに縛られることなく一元的に管理が可能なUEMが普及してきています。
UEMを導入するメリット
UEMを導入するメリットは主に以下の4点です。
- BYDOのハードルが下がる
- セキュリティ性が向上する
- 管理がシンプルになる
- 生産性が向上する
現在の業務体系によっては、UEMの導入によって管理体制が大きく改善される可能性があるので、それぞれのメリットについて細かく見ていきましょう。
BYDOのハードルが下がる
1つ目のメリットは「BYDO」のハードルが下がることです。
「BYDO」とは、「Bring Your Own Device」の頭文字をとったもので、業務に企業から支給された端末を使うのではなく、個人がすでに持っている端末を使用することです。企業が従業員に端末を用意するのは、金銭的負担が大きくなります。しかし、個人の端末を利用するのは情報漏洩などのリスクが高くなるため、より適切な管理体制が必要になります。
UEMを導入することによって、BYDOのハードルが下がり、企業の金銭的負担を抑えることが可能です。
セキュリティ性が向上する
2つ目のメリットは、セキュリティ性が向上する点です。
UEMは、端末やOS・使用しているアプリケーションに関わらず、業務に関わる情報を一元的に管理することができます。BYDOの体制であっても、アプリケーション内にアクセス制限をつけたり、自動的に社内のルールを適用することが可能です。
また、クラウドやネットワーク内の情報も管理し、バックアップを取ることで万が一にも備えることができるため、より強固なセキュリティ体制を用意することができます。
管理がシンプルになる
3つ目のメリットは管理がシンプルになることです。
MDMやEMMを併用して社内の端末を管理している場合、管理担当者は常に2つのシステムをチェックする必要があります。また、2つのシステムを導入することで、それぞれに費用がかかってしまいます。
UEMを導入することによって、1つのシステムで社内すべての端末を管理することができるため、作業効率が改善し、加えて費用削減にもつながります。
生産性が向上する
4つ目のメリットは、企業全体の生産性が向上することです。
UEMの特徴は端末やOSに縛られることなく管理することができる点です。従業員がオフィスにいなくても、端末管理が可能なため、テレワークやリモートワークの導入・切り替えが容易になります。
従業員にとって、業務を進めやすい環境が整うことで、企業としても生産性が向上していく好循環に向かうことが期待されます。
UEMを導入する際の注意点
UEMを導入する際の注意点は以下の2点です。
- 対応していないデバイスがある
- 生産性が向上しないケースもある
せっかくシステムを導入しても十分に使いこなすことができなければ、宝の持ち腐れになってしまうので、事前に確認しておきましょう。
対応していないデバイスがある
1つ目の注意点は、UEMに対応していないデバイスもある点です。
最新のデバイスやOSであれば全く問題ありませんが、あまりにも古いものである場合は、UEMに対応しておらず使っていけない可能性があります。
特に、インターネットに接続せず業務を進めるためだけに使っている機器はOSが更新されていない場合があります。Windows7やVistaはUEMに対応していないので、機器を買い換えるなどして動作環境を整えておきましょう。
生産性が向上しないケースもある
2つ目は生産性が向上しないケースもあり得るという点です。
システムはあくまでも業務を円滑に進めていくためのサポート機能です。担当者の能力や企業の経営状況によっては、新しいシステムの導入が逆に業務の妨げになってしまう可能性もあります。
企業の実態にシステムの導入が見合ったものであるかどうか事前に細かいところまで確認しておきましょう。
まとめ
UEMを導入することによって、これまでMDMやEMMといった複数のシステムを使って管理していた業務を1つのシステムで完結させることができます。
リモートワークやテレワークの普及が徐々に進んでいる中で、業務端末の管理方法は企業にとって大きな課題となっています。UEMを効果的に活用していき、管理担当者の負担削減、さらには企業全体の生産性向上につなげていきましょう。
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