パスキーとは? 企業に導入するメリットとその方法を解説
パスキーを導入することで、ユーザーのセキュリティレベルを高め、情報漏えいやフィシングなどを未然に防げるようになります。
そんなメリットの多いパスキーを企業のシステムにも導入しようと検討されている方もいるのではないでしょうか。本記事では、パスキーを企業に導入するメリットや方法、導入への課題点も詳しく解説します。
企業のシステムにパスキー導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
パスキーとは?
パスキーを簡単に説明すると、ログインのための鍵を複数の端末で同期し、一つの共通鍵で複数の端末にログインできるようになる技術です。パスキーを導入しようと考えている方は、概要を理解し、パスキーへの理解度を深めておきましょう。
パスキーの概要
パスキーとは、公開鍵暗号方式を利用した暗号化技術の一つであり、通信相手に対して公開された鍵を使用してメッセージを暗号化し、秘密鍵を使用して解読する技術です。この技術により、送信者が相手に対して秘密鍵を持たせることなく安全な通信を行うことができます。
そのため、パスキーを導入すると複数の端末を一つの共通鍵でログインできるようになります。例えば、PCとスマートフォンなど、身近にあるものにもパスキーは採用されています。
パスキーの具体例
パスキーの具体例は、以下のようなものが挙げられます。
- ファイルの暗号化:パスキーを使用して、特定のファイルを暗号化することができます。これにより、他人による不正なアクセスからデータを保護することが可能です。
- 通信のセキュリティーが強化される:パスキーを使用すると、公開鍵暗号方式を利用した通信を行うことができます。これにより、通信内容が他人によって盗まれることを防ぐことが可能です。
従来の認証方法
ここからは、パスキーが導入される前の認証方法を解説します。従来の認証方法を知り、パスキーとの技術の違いを比較してみましょう。
パスワード認証の仕組み
従来のパスワード認証の仕組みは、以下のとおりです。
- ユーザーが、アカウント作成時にパスワードを設定
- ユーザーが、サイトにアクセスする際に、設定したユーザー名とパスワードを入力
- サイトは、入力されたユーザー名とパスワードをデータベースなどに保存されているユーザー名とパスワードと比較
- パスワードが一致する場合、サイトはユーザーを認証
- 認証されたユーザーは、サイトの機能を利用できる
上記のような仕組みで、パスワード認証が行われています。
パスワード認証の問題点
パスワード認証には大きく3つの問題点があります。
- 弱いパスワード:ユーザーが弱いパスワードを設定すると、ハッキングによってアカウントが乗っ取られる恐れが高まります。
- パスワードの漏えい:サイトに保存されているパスワードが漏えいした場合、不正なアクセスが行われる恐れがあります。
- 複数のサイトで同じパスワードを使用:複数のサイトで同じパスワードを使用すると、1つのサイトでの不正なアクセスが他のサイトにも影響を及ぼす恐れがあります。
社内システムにパスキーを導入するメリット
社内システムにパスキーを導入するメリットは、大きく以下の4つです。
- 膨大なパスワードを覚える必要がなくなる
- パスワードを変更する必要がなくなる
- フィッシング詐欺のリスクがなくなる
- ローカル認証のため安全
それぞれ、詳しく解説します。
1.膨大なパスワードを覚える必要がなくなる
パスキーは公開鍵暗号方式を利用しているため、膨大なパスワードを覚える必要がなくなります。
また、複数のアカウントで同じパスキーを使用できるため、サイトやサービス毎にパスワードを記録しておく必要もなくなるからです。
そのため、パスキーを導入すれば、パスワードを覚えておく必要がなくなります。
2.パスワードを変更する必要がなくなる
パスキーを利用すればパスワードを変更する必要もなくなります。
これは、パスキーが共通鍵を利用していることが理由です。パスキーさえ変更すれば、それぞれのサイトに登録されているパスキーも変更されます。そのため、パスキーさえ変更すれば、パスワードを変更しなくても、新しいパスキーで登録したサイトへのログインが可能です。
3.フィッシング詐欺のリスクがなくなる
パスキーを利用すると、フィッシング詐欺のリスクがなくなります。
これは、パスキーを利用するとパスワードを保存する必要がなく、フィッシング詐欺でパスワードが流出する恐れが低くなるからです。また、フィッシング目的の偽サイトにアクセスした場合でも、URLが違うためパスキーの認証は求められず、そもそもログインができない状態になります。
4.ローカル認証のため安全
最後に、パスキーを導入するとローカル認証のため安全性も高まります。
これは、パスキーがパスワードを使用しないことが理由として挙げられます。パスキーではパスワードを使用しないため、オフラインでの盗み見などもブロックできるのです。
そのため、パスキーを利用することでローカル認証の安全性も高まります。
社内システムにパスキーを導入するデメリット
様々なメリットがあるパスキーですが、社内システムに導入するには以下のデメリットもあります。
- 導入例が少ない
- 導入が困難
デメリットも理解した上で、導入を検討してみてください。
1.導入例が少ない
まず、パスキーの導入例がまだまだ少ないことが挙げられます。AppleやGoogleなどの大手IT企業はパスキーの導入を進めていますが、日本の企業ではまだまだパスワード文化が主流です。
パスキーの導入例が少ないため、導入しようにも事例が無さすぎることがデメリットとして挙げられるでしょう。
2.導入が困難
続いて、パスキーの導入が困難だという理由です。パスキーの導入には、大きく4つのハードルがあります。
- パスキーに対する抵抗:多くのユーザーや企業はパスワードによる認証方式に慣れており、新しい認証方式に慣れることが困難である
- 技術的なハードル:パスキーを利用するためには、デバイスやアプリケーションに対応するための技術的なハードルがある
- コスト:パスキーを導入するためには、技術的なリソースや開発者のタイムを必要とするため、コストがかかってしまう
- 教育:パスキーを利用するためにはユーザーも含めて学習が必要
社内システムにパスキーを導入する方法
最後に、社内システムにパスキーを導入する具体的な方法を解説します。パスキー導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
パスキー導入に必要な要素
パスキー導入に必要な要素は、大きく以下の4つです。
- 技術的な要素:システムの構築、構成、管理、保守などの、パスキー導入における技術的な要素を指します。
- 社内ユーザーの教育:パスキーを利用するためには、社内ユーザーがパスキーの使い方を学習しなければいけません。そのため、教育リソースや教育プログラムを用意する必要があります。
- システムの認証:パスキーを利用するためには、システムが正しい認証を行うことが必要です。このためには認証サーバーや認証プロトコルなどが求められます。
- データ保護:パスキーを利用するためには、データを保護するために必要なセキュリティ対策が必要です。これには暗号化、認証、アクセス制御などが含まれます。
以上の要素を満たせば、社内システムにパスキーの導入が可能です。
SSOを利用してパスキーを導入する方法
SSO(シングルサインオン)を利用してパスキーを導入する手順は以下の通りです。
- アプリケーションと認証サーバーを連携させるためのAPIを準備する。
- ユーザーアカウント情報を統一的に管理する認証サーバーを構築する。
- アプリケーションを認証サーバーに接続するための認証情報を設定する。
- ユーザーが一度ログインすると、以降はすべてのアプリケーションで自動的にログインされるようになる。
- シングルサインオンのセキュリティを強化するために、セッションの管理やアクセス制御などのセキュリティ対策を講じる。
この手順を踏めば、SSOを利用してパスキーを導入できます。
まとめ
パスキーは、パスワード認証に代わる新しい認証システムです。パスキーを導入することで、セキュリティの大幅な向上に繋がります。
様々なメリットがあるパスキーを、ぜひ社内システムに導入されてみてはいかがでしょうか。
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