クラウドネイティブアーキテクチャとは? メリット・デメリットや原則を解説
IT化が進む近年においてよく耳にする言葉であるクライブネイティブアーキテクチャ。クラウドネイティブアーキテクチャを理解することで、クラウドを含むアプリケーションやサービスをいつでもどこでもより安全に利用できる環境を構築でき、管理コスト削減やセキュリティの強化などが見込めます。
本記事では、そんなクラウドネイティブアーキテクチャについて詳しく解説します。
目次
クラウドネイティブアーキテクチャとは?
クラウドネイティブアーキテクチャとは、IT化が進む近年においてよく耳にする言葉の内の1つです。こちらの意味を理解するためには、クラウドネイティブという言葉とアーキテクチャという言葉を理解する必要があります。
まず、クラウドネイティブですが、これはクラウドが持っているメリットや魅力を最大限活かしてシステムを運用する考え方を指しています。また、アーキテクチャは、構造・設計概念を指しています。
つまり、クラウドネイティブアーキテクチャとはクラウドの利点を最大限活用したソフトウェアやシステムの構造のことを意味しています。
また、クラウドネイティブアーキテクチャを最適化するために最低限必要な原則は下記と言われています。
- 設計に自動化を導入する
- システムの処理をスムーズに行う
- マネージド サービスを利用する
- 多層防御によるセキュリティ強化を実践する
- アーキテクチャの改善を常に考える
クラウドファーストとの違い
クライブネイティブとよく混同される言葉にクラウドファーストという言葉があります。どちらもクラウド利用を重点にしている考え方であることには変わりはありませんが、クラウドファーストは、システムを構築するにあたってクラウド環境での運用を優先的に検討する考え方を指しており、あくまでクラウド環境を優先して使っていくため、オンプレミス環境での運用がされることもあります。
それに比べ、クラウドネイティブはクラウド環境でのシステム運用を前提としているため、設計を進める際にクラウド利用が前提かどうかが違いとなります。
クラウドネイティブアーキテクチャのメリット
ここまでの説明で、クラウドネイティブアーキテクチャとはどのようなものなのかということは理解できたと思いますが、実際に利用するためにはしっかりとメリットを理解しておく必要があります。
メリットは大きく分けると下記の3つがありますのでここからはそれぞれのメリットについて記載していきます。
- コストの削減
- 環境構築の速度アップ
- 変更にも臨機応変な対応が可能
1.コストの削減
まず1つ目のメリットは、コストの削減につながることです。
従来のオンプレ環境の場合、構築~運用、保守・メンテナンスや改善までを管理するためには、人員コストを大きくかける必要がありました。それが、クラウド環境であれば、サービス提供側のベンダーが担う部分が多くなるため、必要なコストを抑えることができ、エンジニアを多く雇う必要もなくなります。
2.環境構築の速度アップ
クラウドネイティブの具体的なアプローチは多岐にわたりますが、基本的にはコンテナを利用したマイクロサービス(複数の小さなサービスを組み合わせ1つのアプリケーションを構成する開発方法)のため、一般的なオンプレミス環境よりも環境構築の速度が上がります。
3.変更にも臨機応変な対応が可能
3つ目のメリットは臨機応変な対応が可能になることです。クラウド環境かつクラウドネイティブアーキテクチャでの導入を前提として考えている場合、継続的に変更を加えることが前提での構築となっているため、時代やトレンドなどに合わせて中身を変える必要がなくなります。
クラウドネイティブアーキテクチャのデメリット
クラウドネイティブアーキテクチャのデメリットは大きく下記の3つです。
- セキュリティ面の懸念
- 問題(バグ)を見つけるのが難しい
- 専門知識のある人材の確保
セキュリティ面の懸念
クラウド環境での運用を前提としているクラウドネイティブアーキテクチャの場合、外と内の境界線がないネットワーク上での運用となるため、セキュリティ問題は看過できないものとなっています。セキュリティレベルもサービス提供ベンダーによって変わってくるため、しっかりと見定めることがとても大事になります。
問題(バグ)を見つけるのが難しい
クラウドネイティブアーキテクチャの環境の場合は、コンテナが相互に作用して環境を構築しますが、このコンテナの経路は必ずしも決まりがあるわけではありません。そのため、1つまたは複数のコンテナに原因がある場合に、問題を見つけるのは容易ではないことを理解しておく必要があります。
専門知識のある人材の確保
今までオンプレミス環境でシステムを運用していた場合、クラウド環境でのシステム運用は、ビジネス環境を変えるのと同義となります。そのため、クラウドとは何かという概念への理解からITリテラシーを総合的に持っている人材が必要になります。
クラウドネイティブアーキテクチャの5つの原則
この記事の冒頭にクラウドネイティブアーキテクチャを最適化するために最低限必要な原則を簡単に記載しましたが、ここからはそれぞれの詳細を説明します。
- 設計に自動化を導入する
- システムの処理はスムーズに行う
- マネージド サービスを利用する
- 多層防御によるセキュリティ強化を実践する
- アーキテクチャの改善を常に考える
1.設計に自動化を導入する
ソフトウェアシステムにとっては自動化の適用はベストプラクティスの1つです。初期費用は高くなりますが、自動化ソリューションにすることで中長期的な労力の削減につながることが多いです。
2.システムの処理はスムーズに行う
ユーザデータやシステムの状態情報などの保存をどうするかはクライブネイティブアーキテクチャを設計する上で難しい要素の1つです。ここで意識してほしい点としてはコンポーネントをステートレスにすることです。ステートレストはすべての状態(任意の種類の永続データ)がコンテナの外部に格納されることです。つまりコンテナにできるだけデータを残さないような設計をすることが重要です。
3.マネージド サービスを利用する
クラウドサービスの管理は正直に言って大変な作業です。多くのクラウドプロパイダーは、バックエンドやインフラストラクチャの管理といった作業を解放してくれるマネージドサービスを数多く提供しています。サービスの管理を外部に任せることで時間や労力の節約に繋がりますのでぜひ利用を検討してみてください。
4.多層防御によるセキュリティ強化を実践する
デメリットの部分でも伝えましたが、クラウド利用を前提としているクラウドネイティブアーキテクチャの場合、外と内の境界線がないネットワーク上での運用となるため、セキュリティ問題は看過できないものとなっています。そこで各コンポーネント間での認証を必要とする多層防御のアプローチを採用することが重要です。
5.アーキテクチャの改善を常に考える
クラウドネイティブアーキテクチャの最も大事な考え方としてITは常に発展していることを意識しなければいけません。時代、組織のニーズが変わるとIT システムの環境を変えないとならずクラウドプロバイダー自体の能力も変わるためシステムのアーキテクチャを洗練させ、常に最適化させるための投資を惜しまないことが重要です。
まとめ
本記事では、昨今の時代に重要なクラウドネイティブアーキテクチャを解説しました。近年、多様なクラウドサービスができ、多種多様な通信機器を利用している背景もありクラウドネイティブアーキテクチャを理解することはとても大事になってきています。
本記事を参考にクラウドネイティブの実現を検討してみてはいかがでしょうか。
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