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業務の標準化が必要な理由と方法、属人的にさせないポイント

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独立行政法人労働政策研究・研修機構が令和6年3月11日に発表した「2023 年度版 労働力需給の推計(速報) 」によると、労働力人口は2022年以降、大きく減少すると見込まれています。労働者の置かれる環境にもよりますが、最悪の場合2040年には、2022年と比べ1割以上減少するという予測もあります。

このような環境のなかで企業や組織は、より少ない人数で効率よく業務を遂行することが重要です。ただ、現状では担当者に依存して、人が変わると業務が滞ったり、品質や生産性にばらつきのある業務もあるでしょう。それを解決するのが業務の標準化です。

本記事では業務の標準化について、必要な理由や方法についてまとめ、実際の解決方法を紹介します。属人的であったり、ばらつきのある業務に頭を抱えているご担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

業務の標準化が必要な理由と方法、属人的にさせないポイント
 目次
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業務の標準化とは

業務の標準化とは、企業や組織で行われている業務を整理し、その業務の手順や成果物を決定して、業務の関係者で共有することです。業務の標準化が進んでいる環境では、誰がその業務を行ったとしても、同じ手順で行われ、同じ水準の成果物が生み出されます。

例えば、顧客とのやり取りを経て見積書を作成する業務で考えてみます。標準化ができていない場合、担当者の経験や勘による判断で金額を設定できるケースもあります。一方で、標準化ができていれば、用意された手順に基づき計算され、誰が担当しても同じ金額の見積書が作成されます。誰が作っても同じものができるため、人に依存した業務から脱却することが可能です。

業務の標準化が必要な理由

ここからは業務の標準化が必要な理由を下記の3つの視点で見ていきます。

  • 効率的な業務の遂行
  • 業務品質の安定化
  • 労働人口減少への対応

理由1:効率的な業務の遂行

標準化されていない属人的な業務では、手順や入力内容の勘所などが当人にしかわからず、他の人にはわからないものになっています。そのため、当人がいなくなるとその業務が止まってしまったり、逆に当人だけがその業務に詳しい存在になってしまい、ノウハウが継承されず、成長の機会を奪ってしまうような状態になってしまいます。

標準化が行われれば、誰がやってもスムーズにできる手順を構築したり、ツールによってノウハウが蓄積される仕組みが導入されることにより、属人的で非効率な状況が改善され、業務の効率化が実現されます。

理由2:業務品質の安定化

業務の標準化を行う際に、成果物の品質をどの程度の水準にするかを共有します。そのうえで、業務フローとフローを構築するタスクを洗い出します。業務フローはどのような手順で行えば、期待できる成果物を得ることができるかという視点で標準化し、タスクは誰でも実施できるようにルールや手順を整備します。必要があればマニュアルを作成し、全体共有を行います。

このように業務フローとタスクを標準化することで、誰がやっても一定水準の成果物を生み出すことができるようになるのです。

また手順やマニュアルが整備されれば、運用するうえで見つかった新たなノウハウや改善内容を、再度手順やマニュアルに反映して全体共有できるため、より品質を向上させることも可能になります。

理由3:労働人口減少への対応

実際に業務の標準化に取り組むと「この手順は必要ないのでは?」との声が出てくることがあります。業務が標準化されておらず属人的になっていると、これまでの通例で行っていることが当たり前になっていて、実は不要になっていた業務に気づかないこともあります。

労働人口の減少が叫ばれているなかで、この手の不要な業務が存在するのは非常にもったいないです。業務の標準化を進め、手順と成果物の水準が整理されれば、不要な業務が整理され省人化を進めることができるでしょう。

業務の標準化の手順

ここまで業務の標準化が必要な理由についてまとめました。そのうえで、実際に標準化を行うにはどのようなステップがあるのか、下記の3つについてまとめます。

  • 標準化する業務の見極め
  • 手順の可視化
  • ノウハウの蓄積

ステップ1:標準化する業務の見極め

業務の標準化を進めるうえで、着手すべき点はどの業務を標準化するかを見極めることです。実際に社内や組織内に、どのような業務があるのかを洗い出し、それぞれがどのような手順で行われているのかをリストアップします。

次に整理した業務に対して、どれから手をつけていくかを決めます。手をつけていく優先度は、その組織の状況によって異なりますが、いきなり大きな業務から取り掛からず、小さな業務から取り組み成功体験を積んでいくことが重要です。業務の標準化による効果を実感した人が増えれば、前向きに取り組む人が増えるので、より大きな業務の標準化を進めやすくなります。

ステップ2:手順の可視化

ステップ1で見極めた業務に対して、その業務の手順を明確にしていきます。この際、誰が見てもその手順がわかるという視点が重要です。そのため手順を作成する場合には、業務を限りなく細かく分解することが求められます

分解した業務を一つひとつ丁寧に、マニュアルなどによって可視化することが重要です。近年では書面だけでなく、動画も活用してマニュアルを作成している組織も存在します。手順が可視化されれば、新しく人が来てもマニュアルを見ながら作業ができるため、引継ぎにかかる教育コストの削減ができるでしょう。

ステップ3:ノウハウの蓄積

業務が標準化されれば、そこで終了ということではなく、そこから実際に稼働させてPDCAサイクルを回していくことが重要です。どれだけ細かく手順を洗い出しても、稼働当初は漏れや改善点が出てくるのはあり得ます。

そこで得られたノウハウは、関係者で共有できる体制を整え、蓄積させていかなければなりません。不具合や改善点をそのままにするのではなく、マニュアルの改善や手順の変更は随時行っていくようにしましょう。

業務の標準化を進めるうえでの課題

ここまで業務の標準化を行う方法についてまとめました。ただ、実際に取り組むことを考えると、手順を確定させてマニュアルを作成し、関係者に教育・周知していくには時間がかかってしまいます。

せっかく業務の標準化が進んでも、マニュアルの更新に時間を要していては、忙しさのあまり優先度が落とされ、マニュアルが陳腐化してしまうことも考えられます。理想を言えば、マニュアルを作成せずとも使用できるように、型に落とし込むことができれば、その課題は解決できるでしょう。

Gluegent Flowを活用した課題解決方法

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マニュアルを作成せずとも型に落とし込む方法として、弊社のワークフローシステム「Gluegent Flow(グルージェントフロー)」の活用がおすすめです。Gluegent Flowは、プログラミング知識がなくても、これまで使用していたExcel版などで作成した申請書フォーマットと似た入力フォームや、その後の申請に伴う業務フローを簡単に設定できます。

そのため、これまでマニュアルで説明していた入力方法や、条件ごとの業務フローの設定が自動で行えるため、誰でも同じ水準で成果物を生み出せる標準化の促進に役立ちます。また、実際に稼働させてから発生した改善点や不具合は、Gluegent Flowのなかで反映されていくため、ノウハウの蓄積を自然に行うことが可能です。

本製品のビジョンは「業務のタスクとプロセスを適正化し、生産性向上を実現する」です。さらに補足すると、本製品によって「人や情報、知識、ノウハウなどのデータを集約させ、業務の可視化とナレッジを蓄積させる」ことで、本製品を利用するお客様企業の事業成長を支援したいと考えています。

Gluegent Flowのコンセプトは、業務効率化やDX推進に取り組むお客様の伴走パートナーです。業務プロセスの最適化を実現する旅のクルーに、弊社のグルーはいかがでしょうか。

まとめ

本記事では、業務の標準化が求められる社会的背景に触れ、企業や組織で標準化が必要とされる理由についてまとめました。また実際に標準化を進めていくための方法や、その課題についても解説しています。

さらにその課題を解決し、効率よく業務の標準化を進めていくためにおすすめなGluegent Flowも紹介しました。ただし、実際に業務の標準化を進めていくには、既存の業務を抱えながら取り組むのは困難でしょう。まずは「WEB完結できる!社内手続き電子化の進め方」をご覧いただき、参考になさってください。

また、弊社は多くの「業務の標準化」に取り組んできておりますので、お困りのことがありましたらご遠慮なくお問い合わせください。