内部統制に、ワークフロー利用が有効!
という3つの理由
企業内の不祥事を防ぎ、事業を適切に発展させるために、コンプライアンスの遵守が必要です。組織の隅々にまでガバナンスを効かせ、企業を健全かつ適正に事業展開する仕組みや体制・・・、それが内部統制なのです。
内部統制におけるワークフローの具体的な利用例を交えながら、ご紹介していきます。
目次
そもそも・・・内部統制とは?
内部統制とは、企業活動を行う上で従業員が遵守すべきルールを整備し、そのルールを守りつつ、業務が効率的に回る仕組みづくりを行うことと言えます。
ルールが未整備の場合
- 決裁者の承認を得ず、大幅な値引きをお客様に提示。結果、お客様との金額交渉が複雑化。すったもんだの末、お客様との信頼関係が崩れる。
- 個人情報保護基準が未整備で、甘い認識で作成された顧客情報を含むドキュメントにより、外部に顧客情報が漏洩する。
- キャッシュフロー管理を属人化。架空取引を見つけられず、役員による資金横領が長期に渡り行われていた。
内部統制を整備する4つの目的
それでは内部統制の構築を行うことで、企業にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
金融庁サイトによると、内部統制の目的を、以下の4つとしています。
金融庁サイトで提示されている4つの目的
出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について(金融庁サイトより)
①業務の有効性及び効率性
内部統制を整備する1つ目の目的は、無理・無駄な業務は減らし「ヒト・モノ・お金・情報」という資源を最適に配置することです。
金融庁サイトでは「業務の有効性及び効率性」を継続して実施する必要も伝えています。つまり、社内業務の効率化を追い求め、業務の有効性や効率性を評価し、改善を続ける活動が必要なのです。
②財務報告の信頼性
2つ目の目的は、企業が社会的信用を得るために必須となる、財務報告の信憑度に関する留意点です。
万が一の虚偽の申告、粉飾決算などは、企業を失墜するリスクをはらんでおり、回避すべき重要事項です。逆に、財務報告の信頼性が高ければ、社内外からの信頼獲得につながり、資金の調達などに寄与します。
決算や財務報告プロセスの整備を行うことで、誰が、なにに、どれくらいのお金を使用しているかも可視化され、財務の健全性を示しやすくなります。
③事業活動に係る法令の遵守
3つ目の目的は、法令の遵守です。言わずもがなではありますが、違法行為は社会的な信用を失い事業継続を困難にします。つまり、事業を展開する上では、社員による法令の遵守は欠かせないのです。
業務に関する社内ルールが整備されることで、社員による不正やコンプライアンス違反の防止につながり、安心して事業活動の推進が行えます。
④資産の保全
4つ目は資産の保全です。資産の保全とは、企業で保有する資産全てを適切な手段で獲得し、使用し、廃棄する・・・一連のプロセスを適切に行うことです。
企業資金はもちろん、PCやプリンター、ビルや車両など資産対象は幅広くあり、これらを不正取得したり、不正運用されないようルールを整備する必要があります。
不正利用を未然に防ぐ、資産の保全体制をしっかり整備することも重要です。
内部統制の整備がもたらすメリット
それでは内部統制の構築を行うことで企業にはどのようなメリットが生まれるのでしょうか。大きく分けて以下の4つが考えられます。
①業務内容の可視化・効率化
内部統制の整備にあたり、まず「既存業務プロセスの可視化」に着手されるでしょう。現場の業務を言語化して把握し、可視化することで、初めて適切なルールの整備ができます。
この段階で、無駄な作業を発見したり、これまで気づけなかった非効率的な業務に気づいたり、結果として業務内容の効率化に繋げながらルール整備を行えます。
②財務の健全性を明示できる
ルール作りにおいては、もちろん決算や財務報告プロセスの整備も含まれます。
誰が、なにに、どれくらいのお金を使用しているか、財務状況も可視化されるため、社内外に対し財務の健全性を示しやすくなります。
③不正リスクやコンプライアンス違反を防止
法令順守のルール整備は、社員による不正やコンプライアンス違反の防止につながり、安心して事業活動を推進することができます。
④モチベーション低下の防止
適正な評価基準は、社員のモチベーション低下防止に寄与します。また、企業内での不祥事は、社員のモチベーション低下や人員離脱につながる可能性が高く、内部統制によるルール作りと明文化は必須と言えます。
内部統制を構成する6つの要素
これまで内部統制の目的、メリットについてご紹介しましたが、金融庁サイトでは、内部統制は6つの要素で構成されると示されています。
以下にて詳しく見てみましょう。
出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方について(金融庁サイトより)
①統制環境
統制環境とは、「内部統制を遵守するための企業風土やカルチャー」を指し、後述する5つの要素を下支えする大事な要素となります。
具体的にはMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定や経営者の気風、意思の伝達などが該当します。
②統制活動
統制活動とは、「決定権者の命令や指示が適切に実行されることを確保」するために定める方針および手続きを指します。
例えば職務権限や職務の整理、社内規定や業務マニュアルの整備などが該当します。
③リスクの評価と対応
リスクの評価と対応とは、ずばりリスクマネジメントです。地震、洪水といった自然災害のリスクもあれば、人材流出、違法行為などの人的リスクもあります。自社にとってのリスクは何か、影響度はどの程度かを評価し、事前にリスク対策を策定しましょう。
④情報と伝達
情報と伝達とは、必要な情報が社内外に伝達される仕組みや体制のことを指します。
もし正確な情報が、組織内で適切に伝達されなければ、事業目標を達成することも、内部統制を整備することも不可能でしょう。具体的には、経営方針の開示や財務情報の開示などが該当します。
⑤モニタリング
モニタリングとは、内部統制の取り組みが機能しているかを確認するプロセスや仕組みのことを指します。内部監査部門の設置や監査役による会計監査などはもちろん、部長による営業日報のチェックなども該当します。
⑥ITへの対応
ITへの対応とは、ITの導入および整備を指します。内部統制を構成する、他の5つの要素を有効に機能させ、内部統制を行うために、IT導入が重要な役割を果たします。
各ITサービスにおいては適切な管理者設定を行うなど、権限整備も必要です。具体的には会計システム、顧客管理システムの導入や、職務に応じたアカウントの権限管理などが該当します。
「内部統制整備に、ワークフローシステムが有効!」と言える3つの理由
最後に内部統制の整備において、ワークフローシステムの利用が有効と言える理由をご紹介します。ポイントは以下3点です。
- 業務プロセスを可視化・標準化できる!
- 証跡管理を実現、監査時も証跡データを簡単に取り出せる!
- 利用者(従業員)へ適切に情報を伝達でき、到達度も可視化できる!
それぞれ詳しく掘り下げていきます。
業務プロセスを可視化・標準化できる!
これら自社ルールに則ったワークフローを用いれば、従業員は意識せず、自然と職務権限に沿った申請や承認を行え、同時にコンプライアンスも遵守できます。また、申請内容やプロセスは可視化され、内部統制に強く寄与します。
証跡管理を実現、監査時も証跡データを簡単に取り出せる!
そのため、本データは監査対応用に提出可能。内部監査担当は、システム内で過去データ検索もでき、監査対応業務の効率化につながります。
従業員へ適切に情報を伝達でき、到達度も可視化できる!
このような周知/伝達においてもワークフローを用いれば、情報提供者が該当者に情報を伝達し、該当者が情報を受け取ったことを確認するといった、どこまで何が渡ったのかという伝達プロセスと、その到達度を可視化することが可能です。
内部統制の整備は大変!着手に困ったら、Gluegent Flowに頼ってみよう
内部統制の整備において、ワークフローの利用が有効な理由についてご紹介しました。企業が健全かつ適正に事業展開するために必要な内部統制ですが、隅々に渡る留意が必要となり、定義し運用すべき項目が多いのも事実です。
どこから着手しようかお困りの場合は、ワークフローシステムによる業務プロセスの整備や標準化から取り組まれてはいかがでしょうか。今回紹介しきれなかった事例もあります、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。