ホテル業のDX ~ ワークフローによる解決策
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ホテル業のDXは、部門を横断する業務からはじめよう。
- ホテル基幹システム:NEHOPS、HMSAG3、Staysee など
- レストラン予約システム:Table Check、OpenTable、レスラク など
- 婚礼部門システム:BV Manager、phorbs など
その結果、業務ごとにシステムが分かれ、情報やデータを用いる「業務連携」という観点では物足りなく感じることがあるかもしれません。電話やメモの受け渡しでは、関係者が増えるほど時間がかかり、伝言ゲームによる伝達ミスも増えます。そのような部門を横断する業務に対し、課題感を抱えているときは、ワークフローの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ホテル業で最も大切な接客現場ではなく、社内稟議や社内申請などからDXを進めよう
多くのホテルでいまだに紙に書き留めたメモが大量に飛び交っています。接客の現場はデスクワークではなく、常にPCが使える環境でもないので、しかたがない部分もあるでしょう。ではホテルでペーパーレス化は無理なのかといえば、そうではありません。PCがない接客の現場が難しければ、バックヤードでデスクに向かう作業からペーパーレス化を始めてみればいいのです。
事務作業の中でも、社内の申請や稟議からペーパーレス化に取りかかるのがおすすめです。社内の手続きで完結しており、サービス品質への影響を小さく抑えられるからです。ワークフローを使って申請や稟議をデジタル化して、ペーパーレス化と業務効率化の一歩を踏み出しましょう。
ホテル業DXには、ワークフローが有効。社内の情報共有を効率化できる。
ワークフローは稟議や社内申請を上司に承認してもらうだけのシステムではありません。うまく使えば必要な情報を素早く的確に、なおかつ適切な順番で関係者に共有することができます。ここには2つの観点が含まれます。
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・必要な人に必要な情報をオンラインで共有できる
シティホテルのようにそれぞれ専門に特化した部署が連携して業務を進める場合、現場同士での情報共有が重要になります。ワークフローを使えば、関係者全員に確実に情報を共有できるようになります。電話や口頭による伝達で起こりがちな伝達ミスも、防ぐことができます。
・情報を共有する順番を定義することで業務の手順を可視化できる
どのような業務においても手順は重要です。複数の部署が関連する場合は手順を明確にするだけではなく、進捗状況の共有も必要になります。ワークフローを使えば、承認する順番を定義することで業務の手順を可視化できます。さらに、誰の手順まで進んでいるかをオンラインで確認できるので、進捗状況の共有も可能です。
しかし現場での情報共有には、ひとつの壁があります。先に述べたように、多くの人はPCの前に座っていません。そこで役立つのが、スマートフォンやタブレット端末に対応したワークフローです。接客の現場で、移動の合間に、情報を手軽に参照できるようになります。
こうした目的に合うワークフローとしておすすめするのが、Gluegent Flow(グルージェンとフロー)です。紙の申請書をデジタル化できるだけではなく、情報の流れ(=業務の流れ)を可視化することで業務の標準化にも力を発揮します。PCの前にゆっくり座る時間がない業種にも取り入れやすいよう、スマートフォン向けアプリも提供されています。業種を問わず広く採用されており、ホテル・宿泊事業を展開するお客様にも多くの利用者がいらっしゃいます。その中から、具体的な活用例をご紹介します。
ホテル業界における実際の活用例:社内申請のペーパーレス化
Gluegent Flowを使って実際にペーパーレス化に取り組んでいるホテルの事例をご紹介します。こちらのホテルでは申請書類はすべて紙で、ほとんどの申請の最終承認者が総支配人という運用が長く続いていました。総支配人が出張や休暇で不在の間、多くの書類が承認待ちで止まっていました。
この状況を打開すべくGluegent Flowを導入し、申請書類を次々とデジタル化していきました。Excelを使って画面レイアウトを作れるなど操作が簡単なことを活かして、申請モデル作成は担当部署で分担しました。既存の申請書類の見た目を踏襲した申請画面にすることで、デジタル化に伴う現場の負担を抑える効果も得られます。
レイアウトなど見た目を踏襲する一方で、承認ルートの見直しなど不要な業務の削減に取り組みました。たとえば物品購入においては、一定の金額を超える場合のみ総支配人の承認を求めることとしました。入力された金額により自動的に承認ルートを切り替える仕組みを利用しています。
「総支配人のところに来る承認依頼が多すぎるということで、承認ステップを見直しました。総支配人に書類が集まる状況を解消したこと、出張先でもPCやスマートフォンを使って承認できるようになったことで、承認待ちの時間はだいぶ短縮されました。従来は1週間以上かかることもありましたが、早ければ数時間、長くかかっても1〜2日あれば承認されるようになっています」(導入先ホテルご担当者様)
ホテル業における、その他のワークフロー活用例
また、こちらの導入事例もご参照ください。
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- 清掃報告
- 購買申請
- イベント企画申請
- 宴会予約申請
- 部署間の請書および完了報告書
- 事故報告書
- 夜間作業時の宿泊申請
- 宿直担当者からの申し送り
- 福利厚生(宿泊、レストランの割引)利用申請
- 通勤交通費の変更申請
ワークフローの導入と聞くと、社内の申請や稟議ばかりを思い浮かべるかもしれません。しかし順番通りに情報を共有するという性質を活かすことで、Gluegent Flowは部署間の情報共有や伝達にも活用できます。適切に情報を共有することで伝達ミスによる作業の無駄や手戻りをなくせば、業務の効率が高まり、サービス品質の向上にもつながるでしょう。ホテル事業のように部署の違いや業務時間の差を超えて連携しなければならない業界において、Gluegent Flowが大きな力になるはずです。