グループウェア移行で検討すべき課題とは?
同時に解決したい複雑な承認プロセス
リクルートが運営する総合情報サイト「キーマンズネット」が2020年4月20日〜5月8日にわたり実施した調査によると、グループウェアを導入している割合は90.6%と高い割合を示しています。この調査から4年が経過しており、ますますこの割合は増加しているのではないかと予想されます。
これだけ企業のIT環境に必要となったグループウェアですが、さまざまな経営環境の影響で既存のものから別のものへと移行しなければならず、頭を抱える担当者もいるのではないでしょうか。本記事では、グループウェアの移行が求められる背景を解説し、今後どのようなIT環境を用意すべきなのかお伝えします。グループウェアの移行に悩んでいる担当者は、最後までご覧ください。
目次
グループウェアの移行が求められる背景
一度、導入したグループウェアは利用場面も多く、簡単に移行したくないと考える人も多いでしょう。それでも移行せざるを得ない状況はやってきます。ここでは、グループウェアの移行が求められる背景について、下記の5つの視点でまとめます。
- サポート切れ
- コスト削減
- 情報システム部門の負荷増大
- 機能不足
- 企業の買収・合併に伴うシステム統合
その1.サポート切れ
かつて多くの企業に利用されていたHCL社のグループウェア「Notes」は、2024年6月1日にサポートを終了すると発表されています。Notesはオンプレミス型のグループウェアとして、多くの企業に利用されていた過去があり、一時は7割の企業が導入していたとも言われています。またサイボウズ社の「パッケージ版 Garoon 5」もサポート終了が発表されており、その日は2027年10月29日です。
さらに近年のクラウド化の流れもあり、その他のオンプレミス型やパッケージ版のグループウェアもサポート終了が予定されています。提供側のサポート終了後も「だましだまし利用する」こともできますが、セキュリティホールやバグが見つかったとしても対応がなされないため、使い続けることは危険です。
その2.コスト削減
現在、主流になっているクラウド型のグループウェアは、自社でサーバー構築をする必要が無く、オンプレミス型のグループウェアと比べると費用を抑えて使用できる場合があります。物価高や人件費の高騰など、少しでも費用を抑えたい企業にとって、コスト削減は急務でしょう。
ただクラウド型のグループウェアの価格は、使用する機能や人数によって単価が決まることが多いです。社員数の多い企業であれば、自社でサーバーを構築してパッケージ版を導入した方が安い場合もあります。導入前にどちらの方がコストを抑えらるか検討した方がいいでしょう。
その3.情報システム部門の負荷増大
オンプレミス型のグループウェアのなかには、独自のプログラム言語で処理を規定しているものもあります。歴代のグループウェア担当者が、その時々の社内要望に応えカスタマイズして利用していた企業では、グループウェアの一部が特定の情シス担当しか把握できない属人化(ブラックボックス化)状態になってしまっていることもあるでしょう。
グループウェアの「おもり(運用)」だけにリソースをさけるほど、労働力に余裕のある企業は少なくなっているのではないでしょうか。したがって、より簡易な仕組みで極力専門的な知識がいらないグループウェアへの移行が求められます。
その4.機能不足
世の中が進歩するなか、オンプレミス型のグループウェアでは実現できないことも増えてきました。例えば、コロナ禍で利用する企業が増えたテレワークへの対応です。社内にサーバーを設置し、外部から利用できないタイプのグループウェアでは、自宅から使用できない、もしくは自宅から使用するために別の仕組みを提供する必要があります。
最新のグループウェアであれば、自宅から使用できるだけでなくスマホやタブレットでの利用も可能です。新機能を利用するために、グループウェアを移行する企業も存在しています。
その5.企業の買収・合併に伴うシステム統合
業績不振や経営の効率化などを理由に、企業が買収されたり合併するケースがあります。この場合、それぞれが使用していたシステムをどのように統合していくかが大きな課題です。片方のシステムに寄せることもありますが、いずれも古いシステムを使用していた場合など、これを機会に刷新しようと考える企業もあります。この場合には、統合後のシステムにいずれの企業も移行する必要が生じます。
そのまま移行して大丈夫?ワークフローを検討すべき背景
これまで使用していたグループウェアを移行する場合、そのまま移行して大丈夫なのでしょうか?特に稟議書や社内申請といった業務フローを、グループウェア上で構築していた場合スムーズにいかない場合もあります。この点について掘り下げます。
経路やフォーム作成の依頼が情シスに集中する
移行前のグループウェアでワークフローを実現していた場合、使用しているシステムによっては複雑なプログラムを書く必要がありました。移行先のグループウェアが、そのままそのプログラムが使用できるとは限りません。となると、従来の社内稟議をそのまま新しいシステムで実現しようとすると、専門的な知識が求められるため情報システム部門に運用負荷が集中してしまうでしょう。今後の活用場面の増加も見込まれるため、専門的な知識が求められないシステムを選ぶことをおすすめします。
組織変更時のメンテナンスが手間
サポート切れやコスト削減が目的であればそれほど影響は多くないと思われますが、企業統合や組織再編などを伴う移行の場合、ワークフローごとに影響範囲を調べたりなど大きな負荷がかかります。また移行後であっても、異動や組織変更の度にいちいち影響範囲を調査して修正していては、運用コストが肥大化してしまいます。組織変更時の対応も簡単に行えるワークフローシステムを用いるといいでしょう。
グループウェア移行の選択肢とそれぞれのメリット・デメリット
前述のグループウェア移行の注意点に気を付けたうえで、グループウェア移行のパターンを考えると以下の3つに考えられます。
1)既存オンプレ→既存クラウドに乗り換え
メリット:同じ会社が提供しているサービスであるため、スムーズな移行が可能。
デメリット:既存オンプレ時代に不要だった機能が、既存クラウドに引き継がれるとその分のコストがかかってしまう。
2)別グループウェアに乗り換え+グループウェアに付帯したワークフロー
メリット:同じグループウェアのオプション機能を利用するため、同一アカウントで使用可能。
デメリット:専門ワークフローと比べると、機能不足な点が考えられ、組織運用に適さない場合がある。
3)別グループウェアに乗り換え+専門ワークフロー
メリット:専門的なワークフローなので機能が豊富
デメリット:これまで使用していたグループウェアのような連携が難しい。またワークフローが別システムなのでその分の運用負担が増加する。
おすすめの選択肢とその留意点
グループウェアを移行する3つのパターンの内、本記事でおすすめするのは3つ目のパターンです。ただ、専門ワークフローの選び方次第では、下記の留意点が生じてしまう場合があります。
1. 既存グループウェアのような連携(機能)が難しい
既存グループウェアであれば当たり前のように使用できていたファイルの保管機能や、ポータルサイトとの連携が、専門ワークフローでは実現が困難な場合があります。例えば、承認後にファイルに情報を書き出したり、ポータルサイトの情報を更新したりという機能が存在しないものもあります。
この問題を解決するには、グループウェアの拡張アプリケーションとして提供されているサードパーティシステムに注目しましょう。ほかのシステムを選ぶと、カスタムツールを作るなどしないと連携できなくなってしまいます。
2. 運用負荷が高い
専門ワークフローを利用した場合、そのワークフロー専用のアカウントが必要な場合があります。社内で使用している Microsoft 365 や、Google Workspace のアカウントと連携がとれなければ、異動時の反映や、アカウントに関する問い合わせ対応が二度手間になってしまいます。
アカウントの管理が二度手間になるだけでなく、そのアカウントを使用しているワークフロー自体も修正が必要になってしまうこともあるでしょう。専門ワークフローを採用した場合、どれくらいの運用負荷増があるのか、事前に想定しておくことをおすすめします。
Gluegent Flow ならデメリットを回避できます
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豊富な連携機能
Gluegent Flowには豊富な連携機能が搭載されています。例えば、GoogleのスプレッドシートやExcelで作成した管理台帳と連携して、承認後に必要な情報を書き出すことができます。Gluegent Flowを活用した管理台帳についてはこちらの記事をご覧ください。
また、SharePointとの連携も可能です。作成したポータルサイトの情報をワークフロー経由で更新できるため、セキュリティを維持した情報更新を行うことができます。SharePointの活用事例については、こちらの記事をご覧ください。 -
Microsoft 365 や Google アカウントなどと連携可能
Gluegent Flowは、認証に Microsoft 365 や Google Workspace が使用できます。社内のアカウント管理でこれらを利用していれば、そのままGluegent Flowでも利用できるため、管理の手間を省くことができます。 -
モデル編集権限が付与できる
Gluegent Flowでは、申請書の編集権限を利用部署に持たせることが可能です。その場合、経路などで変更が発生した際に利用部署で修正対応ができます。情報システム部門が全てを引き受ける必要がないため、運用負荷を分散させることができます。
Gluegent Flow への移行事例
ここでは、グループウェアの移行にあわせて、ワークフロー機能をGluegent Flowに移行した企業様の事例について紹介します。
プログラミング知識が無くても利用できるGluegent Flowでスピーディな移行を実現
象印マホービン様
Google Workspace 導入をきっかけに、シングルサインオンを実現。しかしワークフロー部分に関しては機能が不足していたため、Google Workspace で活用できるGluegent Flowを導入しました。プログラミング知識が不要であったため、スピーディに移行を実現できました。
▶️詳しくはこちらの記事をご覧ください。
オンプレミス時代にカスタマイズしていたワークフローをGluegent Flowで再現
ホテルモントレ様
もともと Microsoft 365 を使用していたホテルモントレ様。SharePointを使用して既存のグループウェア機能を実現していたのですが、ワークフロー部分は構築できませんでした。Microsoft 365 連携のあるGluegent Flowを採用したことで、Microsoft 365 と連動させたセキュリティを実現しています。
▶️詳しくはこちらの記事をご覧ください。
移行先にはなかったワークフロー機能をGluegent Flowで実現
協育様
元々使用していたグループウェアを、Google Workspace へと移行された協育様。ワークフロー機能が付帯していなかったため、Google Workspace と連携できるGluegent Flowが採用されました。導入後もサポートを活用して、活用範囲を広げていかれました。
▶️詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回はグループウェアの移行について、どのようなときに移行が発生するのか、どのような移行パターンが存在するのかなどについてまとめました。どのパターンにもメリット、デメリットがありますが、Gluegent Flowをワークフローとして用いた場合、最もデメリットを抑えた移行が可能になると考えています。現在使用しているグループウェアがサポート切れやコスト削減に迫られている方は、ぜひお気軽にご相談ください。