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エクセルで始める自作ワークフローシステムの手順とメリット

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紙の申請書への記入や承認・捺印を、エクセルファイルを使ってできないか、と考えたことはないでしょうか。メール添付による承認者・関係者への回覧が楽になるだけでなく、たくさんのメリットが思い浮かぶはずです。
この記事では、エクセルでワークフローを自作する具体的な手順だけでなく、メリットや課題点をご紹介します。

エクセルで始める自作ワークフローシステムの手順とメリット
 目次

エクセルでワークフローを自作する手順

ステップ1: ワークフローの目的と範囲を定義する

エクセルでワークフローを作成する前に、まずはワークフローの目的と範囲を明確にすることが重要です。ワークフローの目的は、業務プロセスを効率化し、不備、漏れや無駄を減らすことです。範囲は、どの業務プロセスを対象とするのか、誰が関与するのか、どのような結果を期待するのかを定義します。これにより、ワークフロー作成の指針が明確になり、効率的な設計が可能となります。

ステップ2: ワークフローの基本構造を設計する

次に、ワークフローの基本構造を設計します。これは、承認・決裁すべき人及び役割を洗い出し、その順序を決定する作業です。例えば、契約締結を例にすると、契約書を作成→上長の確認→法務担当者の確認→法務責任者の確認→所属部門長の承認→契約書の印刷→法務担当者での押印といったステップが考えられます。設計段階で細部まで考慮することで、後の作成作業がスムーズに進みます。

ステップ3: エクセルで申請書式を作成する

エクセルを使って申請書式を作成する際には、セルの幅と高さを小さくして、項目名エリアと入力エリアがある程度自由にレイアウトできるようにします。そのうえでセルを結合したり、入力箇所のセルに色を付けるなどして、どこが入力すべき箇所なのか視覚的に分かるようにします。また、条件付き書式やデータ入力規則(バリデーション)を活用して、入力ミスや入力漏れを防ぐ工夫も有効です。

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さらに承認や決裁の欄を設けることで、申請書の進捗状況を簡単に確認することができます。例えば、各ステップごとに承認者の名前や承認日を記入する欄を設けることで、誰がどの段階で承認したのかが一目で分かります。

ステップ4: 申請書式のテストと修正

作成した申請書式は、実際に運用してみて問題点を洗い出し、必要に応じて修正します。テストフェーズでは、関与する全ての担当者にテストを依頼し、フィードバックを収集します。フィードバックを基に、プロセスの無駄や申請書式の不具合を特定し、改善策を講じます。これにより、最適なワークフローを構築することができます。

エクセルを使ったワークフローシステムのメリット

企業内での申請書や稟議書の管理は、従来は紙ベースで行われることが多く、その管理や運用には多くの手間がかかります。しかし、これらをエクセルに移行することで、大きく以下3つのメリットが得られます。

進捗共有のしやすさ

エクセルを使った申請書は、メールやクラウドストレージを活用することで回覧が効率的になります。クラウドストレージを利用すれば、申請書をリアルタイムで共有することができ、どこからでもアクセスが可能です。また、メールでの回覧も簡単で、添付ファイルとして送信するだけで済みます。

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しかし、この方法では、意図しない修正や改ざんが行われるリスクもあるため、適切な運用が求められます。例えば、編集権限を制限する、変更履歴を追跡するなどの対策が必要です。

意思決定の迅速化

エクセルファイルはデジタル形式であるため、メールやクラウドストレージを介して簡単に関係者に回覧することができ、物理的な移動の手間と時間を省けます。多拠点に展開する業種・業態では承認・決裁までの期間が大幅に短縮される可能性があります。

保管・検索のしやすさ

内部統制上、社内の意思決定に関わる証跡は一定期間の保管、保存が義務付けられています。そのため、電子ファイルとなっていることで、簡単に所定のフォルダ・ドライブに格納すればよく大変簡単です。

また、オンラインストレージなどへ格納することで全文検索ができる可能性があります。全文検索とは、ファイル名やプロパティだけでなく、ファイル内に記載されている文字列も含めて検索できることです。これにより、過去の申請を確認する必要が生じた場合でも素早く見つけ出すことが可能です。

コスト削減

エクセルを使ったワークフロー作成の大きなメリットは、コストがかからないことです。専用のワークフローシステムを導入するには費用がかかりますが、エクセルは多くの企業で既に導入されているため、追加のコストが発生しません。また、無料で利用できるテンプレートやマクロを活用することで、さらにコストを抑えることが可能です。

また、紙の申請書をエクセルにしていく場合、ペーパーレスによるコスト削減も期待できます。申請書の記入間違いや紛失などで紙を無駄にしてしまうケースがなくなる事に加え、決裁後の文書を保管するスペースの削減にもつながる可能性があります。

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エクセルワークフローを作成する上での注意点

たくさんのメリットがある、エクセルを活用したワークフローですが、注意すべき点もあります。

意図しない修正や改ざん

エクセルファイルは簡単に編集できる反面、意図しない修正や改ざんが行われるリスクもあります。これを防ぐためには、格納するファイルサーバーやオンラインストレージ側の機能で、原本ファイルが上書き保存されないようにしておくことをおすすめします。また、定期的にバックアップを取得したり、変更履歴を追跡できるように設定しておくと、万が一意図しない修正や改ざんがあった場合でも原因を特定し、現状を素早く復旧できることにつながります。

メンテナンスの属人化

エクセルでワークフローを作成する場合、特定の担当者がその管理や編集を一手に引き受けることが多く、属人化のリスクがあります。その担当者が退職したり、異動したりすると、他のメンバーがワークフローの構造や運用方法を理解できず、業務が停滞する可能性があります。これを防ぐためには、文書化や共有の仕組みを整えることが重要です。

最新フォーマットの周知・徹底の難しさ

エクセルファイルの改修が発生すると、その度に関係者へ最新ファイルを使うことの周知徹底が必要になります。全社員が利用する申請書式の場合、ローカルのパソコンに保存してある古い書式で申請をされてしまい、場合によっては最新版で申請し直してもらうなど、かえって業務効率が低下してしまう可能性もあります。

クラウドワークフローシステムの導入のすすめ

エクセルでのワークフロー運用には多くの利点がありますが、クラウドワークフローシステムに移行することで前述した課題もクリアできます。

内容の改ざんができない

権限管理が厳密に行われるため、申請者、承認者、決裁者、確認者などは決められた箇所の入力しかできなくなり、悪意のある改ざんはもちろん、うっかりした操作で変更や削除してしまうリスクも大幅に低減できます。

メンテナンスの属人化排除

多くのクラウドワークフローシステムはウェブのマニュアルを提供しており、それを見ながら操作すればよいため、高いITリテラシーがなくても運用できることが多いです。優れた管理者画面を提供しているサービスであればあるほど直感的な操作が可能となり、誰でも利用できるようになるため、業務の属人化を排除していけるはずです。

最新フォーマットの周知・徹底の手間が大幅軽減

クラウドワークフローシステムは、ウェブフォームが申請書式にあたるため、ウェブフォームの修正は即時に反映され、直後からの申請は強制的に新たなフォーマットでの申請に統一できます。エクセルのように、ローカルに保存した過去の書式で申請されることもなくなります。

エクセルの申請書式の取込み

クラウドワークフローシステムの中には、エクセルで作成した申請書の見た目をそのままウェブの書式に移行できるものがあります。これにより、ワークフローシステムを新たに導入する際の作業が大幅に軽減されます。例えば、当社が提供するクラウドワークフロー「Gluegent Flow」(グルージェントフロー)では、エクセルのフォーマットをコピーしてフォーム作成画面へペーストするだけで同じような見た目、レイアウトを取り込むことができます。既にエクセルファイルで多くの申請書式をお持ちの企業にとっては、購入から運用開始までの期間を短縮できることが大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

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業務効率化とコスト削減の効果

クラウドワークフローシステムの導入には、エクセルだけでの運用と比較して別途費用がかかりますが、その効果は非常に高いです。前述したとおり、ペーパーレスによる紙代の削減保管場所のコスト削減ができます。加えて、申請数の集計や統計作業が自動化されるだけでなく、メールやスマートフォンアプリへの承認依頼通知を飛ばしたり、手作業の工数が削減され、システム管理者だけでなく、申請する側の業務効率も大きく向上します。

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[図:導入コスト<全社員の運用コスト]

このように、クラウドワークフローの導入が、会社全体の工数削減に繋がり、持続的にそのコスト削減効果が期待できます。当社の「Gluegent Flow」は、提供開始から10年以上が経過し、多くのお客様にご利用いただいております。その間、毎月のように機能追加・改善を繰り返し、直感的な操作性とさまざまなシステムとの連携を強みにしたサービスに成長してきました。

エクセルを使ったワークフローのさらに一歩先を見据え、どんな課題が解決できるのかをぜひご確認いただけますと幸いです。