総務が抱えるDX推進の課題
「従業員のITリテラシー」を底上げするための秘策
2023年8月に実施された『月刊総務』の調査によると、総務のDX推進担当者が抱える課題の1位は「従業員のITリテラシー」(60.7%)だそうです。DXの第一歩としてITツールを導入しても、従業員がツールに慣れなかったりITへの抵抗があったりすると、活用されずに無駄になりますよね。
それでもDXを進めない訳にはいきません。今回は、総務担当者がDXを推進するにはどうすればよいか、そのヒントをご紹介します。
目次
総務が実施すべきDXの施策とは
経済産業省が掲げるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」 です。
最終ゴールはビジネスモデルの変革ですが、それにはまず企業文化や風土を変えていかなければなりません。DXを成功させるためには、従業員ひとりひとりのITリテラシーを向上させる必要があります。
ITリテラシーとは
厚生労働省が平成29年に発表した「平成29年度基礎的ITリテラシーの習得カリキュラムに関する調査研究報告書 」によると、基礎的ITリテラシーは以下のように定義されています。
【基礎的ITリテラシーの定義】
現在入手・利用可能なITを使いこなして、企業・業務の生産性向上やビジネスチャンスの創出・拡大に結び付けるのに必要な土台となる能力のこと。いわゆるIT企業で働く者だけでな く、ITを活用する企業(ITのユーザー企業)で働く者を含め、全てのビジネスパーソンが今後 標準的に装備することを期待されるもの。具体的には、
- 世の中にどのようなITがあり、それぞれどのような機能・仕組みを有しているか、どのような場面で活用されているかについての理解。
- 企業・業務の課題解決場面に有用なITを選定し、そのITを操作して目的に適う情報を取得・分析・表現し、課題解決に繋げる能力。
- ITを安全に活用するための情報セキュリティやコンプライアンスの知識。
基礎的とはいえ、かなり高い要求がなされていますね。
そこで、ITツールを選定する立場にない方は、「与えられたITを使いこなし、利用する範囲内での機能や仕組みを理解し、セキュリティやコンプライアンス的な損害を個人や組織に対して与えないこと」が最低限のラインと捉え、総務が主体となって従業員全体のITリテラシーを底上げできるような施策を実施してみてはいかがでしょうか。
総務がつくる、DXへのきっかけ
前述したように、DXを成功に導くためには従業員のITリテラシーを高めることが必要です。まずは、従業員のITへの抵抗をなくすことが第一歩ではないかと考えます。ITツールと聞いただけで、使うのは嫌だ、と抵抗する方が少なからずいます。理由を深堀してみると、自分には難しそう、やることが逆に増えそう、失敗して損害を与えそう、という不安が見て取れます。
そこでご提案するのが、「目に見える成功体験」と「習うより慣れろ作戦」です。
総務によるDXの第一歩 従業員に目に見える成功体験を提供する
成功体験ーペーパーレス化
DXへの取り組みのスタートとして、ペーパーレス化が挙げられます。会議資料の配布をやめてデータで共有したり、受発注や請求・支払関連の業務など、専用のシステムを導入している企業もあるのではないでしょうか。会社としてみればペーパーレスの効果は目に見えますが、ここで挙げた業務とは関係のない部門や担当者もいます。
そこで、総務によるDX推進の一環として、人事関連の申請や物品購入申請など、全従業員が関係する業務をペーパーレス化することを検討しましょう。
成功体験ー時間の短縮
日々、時間がかかる業務とは何でしょうか。多くの従業員がかかわる人事や勤怠関連の申請や、備品や物品購入申請等を例にしてみます。「必要な書類を探す時間」「ハンコを押す時間」「承認を待つ時間」は、生産性があるとはいえず、削減したい時間ではないでしょうか。それらの時間が総務が推進するDX施策によって削減されたら、1件1件はささいな成果ですが、全社や全書類業務の枠で捉えれば、業務時間の削減が実感できることでしょう。これはきっと成功体験となります。
総務によるDXの第一歩 習うより慣れろ作戦でITリテラシーを高める
DXへの取り組みには、従業員のITリテラシー向上が重要とお伝えしてきました。もちろん、研修や資格取得などで正しい知識をつけて能力を高めることも必要です。ですが、実際にITを使いこなすには、まず利用を始めることが必要です。
そこで、身近な成功体験であるペーパーレス化と時間の短縮を実現するITツールとして、「電子決裁(ワークフロー)システム」をおすすめします。
総務によるDXを実現する電子決裁(ワークフロー)システム
電子決裁(ワークフロー)システムとは
電子決裁(ワークフロー)システムとは、その名のとおり、決裁業務を電子化できるITツールのことです。申請書の起票から、承認、決裁、保管までを一気通貫に行えるのが一般的な電子決裁(ワークフロー)システムの特徴です。ワークフローシステムは数多く提供されていますが、基本的な機能は共通しているものの、入力画面や承認ルート(回覧経路)の制約条件、保存や検索機能に違いがあるため、選ぶ際には注意が必要です。
電子決裁(ワークフロー)システムを選ぶポイント
「従業員のITリテラシー」が課題の組織では、従業員のITツールへの抵抗をなるべく早く低減させることがポイントとなるでしょう。
- これまでの業務をできる限り変えないこと
- 簡単に使えること
- セキュリティやコンプライアンスの安全性を担保できること
従業員の抵抗が少ないワークフローシステム Gluegent Flow(グルージェントフロー)
具体的に、従業員の抵抗が少ないと評価をいただいているワークフローシステムGluegent Flowについてご紹介します。Gluegent FlowはDXを推進する多くの企業様で採用されており、ペーパーレス化や業務時間の短縮を実現しています。その結果、従業員にも受け入れられて、導入や社内展開もスムーズに進み、全社的なDXの推進にもお役立ていただいています。以下に、Gluegent Flowを導入いただいた事例をご紹介します。
株式会社フェリーさんふらわあ様
従業員の年齢層が高く、「シンプルで使いやすい」「パッと見でわかりやすい」を選定基準にGluegent Flowを選定。これまで利用していた紙の書類をそのまま添付することで従業員の負担を減らし、稟議の回覧時間を大幅に削減することに成功しました。
三友株式会社様
従業員の抵抗を減らすために画面デザインはシンプルにし、入力項目を選択形式にするなどITのメリットを活かした画面を作成。導入開始時には問い合わせがほとんどなく、スムーズに紙の書類からGluegent Flowに移行できました。
また、紙の書類をGluegent Flowに切り替えたことで、承認者のハンコ出社や総務が担っていた申請書類のありかを探す業務がなくなりました。
株式会社サンゲツ様
全社的なDX推進プロジェクトの一環として、ワークフローシステムGluegent Flowを導入。
総務部門が主体となって社内体制の強化も同時に取り組み、スムーズに全社展開に成功しました。
社内導入がスムーズに進むGluegent Flowの特長3点
上記の事例で示したように、Gluegent Flowは社内導入や運用を促進できる特長があります。ここでは簡単にGluegent Flowの特長をご紹介します。
1. 紙の見ためそっくりの画面を再現
ExcelやGoogle スプレッドシート、Google ドキュメントなどの申請書をご利用中であれば、そっくり画面上に再現できます。物品購入申請や備品貸与申請、出張申請など、形式を自由に設定できるため、「フォーマットの形式がかわって使いにくい」という声は上がりません。
2. グループウェアのアカウントでシームレスにログイン
Gluegent FlowはMicrosoft 365や Google Workspace と連携が可能です。これらのグループウェアを活用中であれば、IDやパスワードを入力することなくGluegent Flowを利用できます。「どこからログインすればいいんだっけ」「ID、パスワードを忘れた」の不満は起こりません。
3. セキュリティやコンプライアンス対策がばっちり
Gluegent Flow上のデータは、他の利用者が改ざんしたり削除することができません。また、承認の履歴がデータとして残るため、コンプライアンスの強化にも活用できます。ITリテラシーが高くない方でも安心してGluegent Flowを利用することができ、従業員の不安も解消できます。
また、弊社はGluegent Flowの導入だけでなく、社内展開いただけるまでご支援させていただきます。さまざまなお客様のご支援をした経験から、お客様の従業員のITリテラシーにあわせた利用展開方法もご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
総務から始められるDX
以上のように、適切なITツールを導入することで、ITリテラシーの足かせとなるITツールへの抵抗を減らすことが可能です。経済産業省はDXについて「製品やサービス、ビジネスモデルを変革すること」と言っていますが、そのためには従業員一丸となって取り組むことが必要です。
すべての従業員に頼りにされているのが総務部門の方々です。ぜひ、総務が旗振り役となってDXをスタートさせてみてはいかがでしょうか。