紙からシステムへ!
クラウド型ワークフロー導入のコツと選定のチェックポイント
目次
ワークフローとは
ワークフローとは、業務の一連の流れを指します。ワークフローシステムは、これらの流れの中でのやりとりを、システム化したものです。昨今、働き方改革の推進やCOVID-19の影響による差し迫った業務改善で、在宅勤務やモバイルワークなど、場所や時間にとらわれない働き方への取り組みが進んでいます。それにともなって日常業務はシステム化され、クラウド型の業務システムの導入も一般化してきました。紙での申請・承認業務も、クラウド型ワークフローを導入することで、システム化できます。
ワークフローシステムを導入していない場合の問題
弊社が以前に行った申請・承認業務の実態調査( ► ワークフローシステムで申請・承認するメリット )によると、申請・承認業務への不満として多くあげられているのは、申請から承認までに時間がかかるということでした。業務処理を紙で行っている場合には、それが一因として考えられますが、ワークフローシステムを導入していないと、以下のような問題が発生します。
- 申請や承認のために会社に戻ったり、テレワークなのに出社しなければならない
- 決裁者や承認者の外出などで処理が滞り、申請から承認までに時間がかかる
- 処理の進捗状況がみえないため、問い合わせするなど手間がかかる
これらの問題を解決するには、場所や時間あるいはデバイスなどの制約を受けずに申請/承認/決裁できる、クラウド型ワークフローの導入が効果的です。
クラウド型ワークフロー導入のコツ
クラウド型ワークフローを導入したにもかかわらず、定着せずに活用されないままになってしまったり、他システムへの切り替えになってしまった例があります。ただ導入すればよいわけではなく、自社の業務プロセスをまず把握し、要件に合ったシステムを導入することが大切です。導入前の準備も重要ですが、どのようなポイントで導入を進めればよいでしょうか。
1.業務プロセスの明確化
まず現状の自社の業務プロセスを洗い出すことから始めましょう。既存の紙の申請書をベースにして、プロセスを確認します。
部門独自の書類やルールがあれば、それらを整理し、共通化することがポイントです。
2.ワークフローシステムの選定
1で明確にした業務プロセスをもとに、それを実現できるシステムを選定しましょう。システムに業務プロセスを合わせるのではなく、業務プロセスに合ったシステムを選択することがポイントです。
デモやトライアルができるシステムであれば、事前に活用することで、導入後の失敗を防げます。
3.移行範囲の策定
一度にすべてを移行すると、失敗しやすくなります。一部部門を対象にして、たとえば「休暇届」のような簡単な申請書から試験的に運用するなど、スモールスタートすることがポイントです。
運用しながら少しずつ修正しつつ範囲を広げていき、最終的に全社に導入すれば、スムーズに移行できます。
4.社内での定着化
導入したら終わりではなく、運用を促進する仕組みづくりを行いましょう。導入の告知はもちろん、利用方法の研修を実施するなど、活用してもらうための取り組みを実施することがポイントです。
導入時に、各部門にエバンジェリストのような人を設定して先行利用してもらい、各部門での活用につなげてもらうなどもおすすめです。
クラウド型ワークフロー選定のチェックポイント
前項では、クラウド型ワークフローを導入し活用するためのポイントを説明しました。では、導入するワークフローシステムは、どのように選定すればよいでしょうか。導入後に失敗だったとならないための、選定のチェックポイントを紹介します。
1.カスタマイズ性
「帳票レイアウトは変更したくない」「押印必須」など、移行時にはずせない要件もあります。既存のレイアウトをそのまま実現できるか、押印のイメージは実現できるかなど、デザイン面で柔軟にカスタマイズできるか確認しましょう。
承認申請〜決裁までのルートが複数ある場合、ルートが柔軟に設定できるかなど、自社の業務フローに対応できるかどうかがポイントです。
2.移行の容易さ
システムの導入にともない、すべての帳票を新たに作り直すと、膨大な時間とコストがかかります。利用中の帳票をそのまま移行できるかどうか、帳票移行の機能について確認しましょう。
移行のしやすさも含めて、不要な工数とコストがかからないことがポイントです。
3.コストパフォーマンス
高機能なシステムであれば、その分コストが高くなります。多機能すぎて使いきれなかったり、設定が複雑で使いこなせなかったりということがないように、自社に必要な機能をしっかりと確認しましょう。
必要十分な機能とそれに見合ったコストで利用できることがポイントです。
4.アカウントの管理
既存のワークフローシステムがあり、それからの移行に際して、新たにアカウントの作成が必要になる場合、ユーザー側の混乱を招くばかりでなく、アカウントの管理も煩雑になります。
利用中のワークフローシステムから、アカウントをそのまま移行できるかどうかを確認しましょう。
5.ストレージの容量
申請・承認業務をシステム化した場合、今まで紙で添付していた書類も電子データで添付するため、大量の電子データを取り扱うことになります。自社の業務フローで運用した場合に、ストレージの容量がどれくらい必要なのか、事前に確認しましょう。
運用開始直後は問題なくても、将来的な増加分を確認し、十分な容量を確保できるかがポイントです。
6.連携の拡張性
利用中のグループウェア(Google Workspace やMicrosoft 365など)との連携は、ぜひほしいところです。今後導入予定のシステムも含めて、外部システムとの連携について確認しましょう。
テレワークが推奨される昨今、いつでもどこでもデバイスを選ばず利用できるクラウドシステムとの連携は、大きなポイントです。
これらのチェックポイントは、1〜3のポイントについては最低限おさえておきましょう。もちろん、すべてを満たせれば言うことなしですが、まずはおさえておくべき基本的な3ポイントです。また、4〜6のポイントについては、たとえば初期費用をおさえるなどのため、導入初期には対応せず運用でカバーする場合もあるかもしれません。しかし、のちに対応できるようになった場合を念頭において、導入前に確認しておくべきポイントです。
利用要件も組織によってそれぞれです。自社の利用に合わせて上記のポイントを参考によく検討したうえで、選定しましょう。
クラウド型ワークフロー導入で業務効率化
ワークスタイルの変革に合わせて、クラウドシステムの導入は避けては通れません。せっかく業務プロセスをクラウド化するのであれば、ワークフローシステムもクラウド化してそのメリットを最大限に活用すべきです。上記で述べたような導入時のコツやワークフローのチェックポイントを確認いただき、ぜひ自社に最適なシステムを選定してください。スムーズな導入と運用の活用を実現できるはずです。
クラウド型ワークフローの Gluegent Flow なら、他システムとの連携やさまざまな業務プロセスに適用が可能で、カスタマイズ性も柔軟です。さらに、上位版のGluegent Flow Plus なら、アカウントや組織の管理も可能で、ログイン認証およびアクセス制御も行うことができ、運用の利便性と安全性が強化されるため、運用・管理コストの大幅カットにも寄与し、さらなる業務効率化が図れます。