Gluegent Flow導入でIPO準備でき、年間50時間以上を削減。社内業務プロセスの標準化も実現
顧客企業のWeb検索行動などサードパーティデータを活用したインテントセールスを提唱し、実践するためのツールを提供している株式会社セールスマーカー。2021年7月に創業した新しい企業ではありますが、ターゲットの購買意思を狙い撃つ質の高いセールス活動につながると多くの顧客から好評を得ています。成長スピードも速く、起業時は4人だった従業員がいまでは200人を超えています。好調な業績を積み上げている一方で、その成長スピードが引き起こした課題もあります。そのひとつが、稟議などワークフローの未整備でした。当初は口頭やチャットで済んでいましたが、人数が増えるにつれ無理が生じます。そこで取り組んだのが、将来のIPOも視野に入れたワークフローの構築でした。監査対応などを容易にするGluegent Flowを導入し、いずれ必要になる課題にも併せて先手を打ったのでした。
従業員の増加、IPOに向けた準備などの課題を解決するため、ワークフロー構築へ
代表取締役 CEO 小笠原 羽恭 様:起業当初は従業員が少なかったので、ほとんどのコミュニケーションは口頭やチャットで交わされていました。稟議や申請にあたる内容もSlackで問い合わせてもらって、私が許可していました。決裁者は私だけでしたし、人数も少なかったのでそれで十分だったんです。しかし従業員が30人、40人と増えてくると次第に負担が大きくなってきました。
私は物事をバックキャストで考える習慣があるので、もっと大変になってから対応するよりも、先に対策しておきたいと考えました。そこで従業員のさらなる増加、その先にあるIPOも視野に入れ、ワークフローを構築することにしました。2023年頃のことです。
作り込まれたUIで使いやすく、監査対応機能も網羅したGluegent Flowを選択
小笠原様:実際に導入するワークフロー製品の選定にあたり、まず10製品ほどをピックアップして機能面で比較しました。5製品ほどに絞り込み、実際の機能と使い勝手を確かめました。実際に使ってみて一番違いを感じたのは、画面の見やすさ、わかりやすさですね。たとえばGluegent Flowは急ぎタスクや積み上げタスクがひと目でわかるので、使いやすそうだと感じました。
設定担当者 様:UIの違いはかなり感じましたね。デザインが古く使いにくい印象の製品もありましたが、Gluegent FlowはUIが作り込まれていて、初めてでも使いやすかったのを覚えています。わかりにくいと運用するのも大変ですし、従業員に使ってもらう際にもハードルになってしまいます。
小笠原様:機能面では、GmailやSlackと連携できる点が魅力でした。メール、チャットの画面は頻繁にチェックする習慣になっているので、通知を見落とすことがありません。承認ルートを柔軟に設定できるのも大きなポイントです。予算承認、受注売上の承認、契約承認など申請フローごとに承認ルートを設定できます。IPO準備に耐えられる機能も網羅されています。監査に必要な証跡データをまとめて、あるいは検索で絞り込んでダウンロードできるので、契約している監査法人の求めにもすぐに応えられます。
――多岐にわたるIPO準備の中、先行してワークフロー導入に取り組んだことが、セールスマーカー様の成長を支えています。
動画を取り入れたマニュアルで使い方を周知、業務プロセスの標準化にも活かすため申請モデルはすべて中央で管理
設定担当者 様:UIがわかりやすいこともあり、社内に使い方を周知するのは難しくありませんでした。工夫した点としては、実際の操作画面を動画として操作マニュアルに取り込んだことでしょうか。どこに記入してどのボタンを押せばいいのか具体的にわかるようにしたので、使い方に関する質問はほとんどありませんでした。
操作方法よりも、マインド面でのハードルの方が高かったかもしれません。起業当時からの従業員は「いかに速く仕事をするか」というスタートアップならではのメンタリティを重視しています。それらの方々を含めて、ワークフローの必要性を理解してもらわなければなりません。
そこで導入時には、案内して使い方に慣れてもらうフェーズ、使用を推奨するフェーズ、全員に使用を求めるフェーズと段階を踏むことにしました。
- 案内フェーズ
使い方を案内して、ワークフローの必要性を知ってもらうフェーズです。 - 使用推奨フェーズ
以前通りメールやチャットでの申請も受け付けますが、後からでもいいのでワークフローでも起票してもらいます。ワークフローを使い、記録を残すことに慣れてもらうフェーズです。 - 全員使用フェーズ
慣れてきたところで、「これからはワークフローを使って申請し、押印がなかったら進めない」ことをルール化します。実際の運用フェーズです。
全員が出社必須ではないので、リモートを前提として慣れてもらう時間をしっかり取りました。契約から全員使用フェーズまでに1年近い時間をかけています。こうすることで、従業員の間にあるメンタリティの違いも吸収できました。
この期間に、課題も見えてきました。承認者がCEOの小笠原に集中しており、そこにタスクが積み上がってしまうときがあるのです。これに関しては、金額や規模によって申請を分岐させ、重要性の高いもののみ小笠原の決裁を求めるよう変更を計画しています。
小笠原様:申請モデルに関しては、すべてこちらで作って提示しました。業務プロセスを標準化することもワークフロー導入の目的のひとつで、統一したロジックを作り社内に浸透させるためです。計算ルールやロジックを最初から作り込み、ROIが2倍以上になるよう申請してもらうという運用ルールを設けています。
――あえて中央ですべて管理することで、業務プロセスの標準化にもGluegent Flowを活かせます。社内業務の質自体の向上が期待できます。
年間50時間以上を削減、標準化のメリットを顧客に広げる構想も
小笠原様:Gluegent FlowなしにIPO準備に取りかかっていたら、きっと大変なことになっていたと思います。今までの1年間だけでも760件ほどのワークフローが回っています。以前のようにSlackで確認してからExcelに貼り付けて整理していたら、1件5分と考えても年間で58時間を無駄にするところでした。Slackの会話に埋もれて確認までに数日かかってしまったものもあったのが、いずれも一瞬で承認できるようになりました。時間の無駄をなくしただけではなく、見落としなどによる未来のリスクも回避できたと感じています。無駄な時間をなくせるのは、承認者だけではありません。Gluegent Flowを使ってBPMに取り組むことで、社内の業務効率を向上できると考えています。
業務にはいくつものレビュープロセスがあり、同じ観点でチェックすることを日々繰り返しています。レビューにおけるチェック項目を言語化することができれば、チェックリストに適合するかどうかという判断だけで、承認することができます。あるいはそのチェック項目を申請モデルに落とし込むことができれば、起票した時点でその申請は承認できる内容になるはずです。レビューにかかる時間を大きく削減できるだけではなく、手戻りがなくなり業務自体のスピードも品質も高まるでしょう。
社内の業務だけではなく、セールスマーカーのお客様についても同じことが言えます。当社が提唱するインテントセールス(Web検索行動などサードパーティデータを分析し、顧客の購買意思が高まるタイミングに適切なチャネルで情報を提供するセールス手法)はターゲティングからアプローチまで、4つのステップで成り立っています。成功しているお客様は、この4つのプロセスをうまく実行できています。一方で、4つのステップをうまく回せていないお客様もいらっしゃいます。もし成功しているお客様のプロセスやフローを標準化して、他のお客様に提示できれば、より多くのお客様を成功に導けるはずです。
そのためにはプロセスを管理する機能が必要ですが、セールスマーカーには用意されていません。そこで、Gluegent Flowと連携してフロー機能を補えないかと検討を始めています。セールスマーカーにワークフロー機能を設けて自社ですべてカバーするという方法もありますが、既存の便利なツールを組み合わせて使えるのがSaaSのいいところです。ワークフローとして高い機能を持つGluegent Flowと連携してお客様にメリットをもたらす提案ができるようになれば、当社もお客様も成長できると期待しています。
――セールスマーカー様は、業務プロセスを標準化することで、不要な時間を削減するだけではなく業務の品質を向上させると確信されていました。セールスマーカー様とGluegent Flow のコラボレーションでどのような相乗効果が起こるのか、今後に期待しましょう。