導入事例

S&D多摩ホールディングス株式会社

S&D多摩ホールディングス株式会社 様

最大3日かかっていた承認が最短即日に! Microsoft 365とGluegent Flowで進めるDX

自動車の買い方や使い方の多様化に合わせるように、多摩地域のトヨタ西東京カローラ・ネッツトヨタ多摩・トヨタレンタリース多摩3社が2022年4月に組織を再編し、S&D多摩グループが生まれました。顧客を軸に販売、レンタル&リース、整備を3つの柱とした組織に生まれ変わりました。新たなモビリティカンパニーの姿を目指して地域、顧客を軸に販売、レンタル&リースを担う企業がひとつにまとまって再編する中で、企業内、企業間の連絡事項の多さが課題となりました。解決策として模索されたのはワークフローの導入であり、選ばれたのはGluegent Flowでした。

3社統一へと足並みを揃えるようにデジタル化を進めてきた背景

Strategy & Digitalオフィス Digital Strategy PJ Project Manager 小野 正人 様:
ワークフロー模索の旅のルーツは、S&D多摩グループ発足前に遡ります。当時のネッツトヨタ多摩では、日々数多くの紙の書類や電話連絡がありました。店舗では日々の消耗品からフェアで使う販促品まで、それぞれに購買連絡があるんです。店舗と各企業本部の間で、これらの連絡がFAXや電話で行われていたのです。

ショッピングサイトのようなものを作ればやりとりを簡素化できるのではないかというのが、最初の発想でした。しかしWebサーバを運用してシステムとして作り込めば、管理部門の負担が増えてしまいます。そこで発注機能としてワークフローを使うことを思いついたのです。ワークフローなら部署ごとに管理を分権化すれば、運用負担を分散できますから。

そう考えて、当時使っていた Google Workspace にワークフロー(rakumo)を組み合わせ、Google サイト上に物品購買サイトを構築しました。しかしS&D多摩グループとして再編するにあたり課題が生じます。Google Workspace を使っている企業とMicrosoft 365を使っている企業があったのです。基幹システムとしてはMicrosoft 365に統一することに決まりましたが、当時使っていたワークフロー(rakumo)とMicrosoft 365との連携機能が十分ではありませんでした。個別にログインしなければならないので、ひとつのシステムとしてシームレスに使えなかったのです。そこで、Microsoft 365と組み合わせて使えるワークフローを探すことになりました。

IT技術を属人化させないこと、Microsoft 365と連携できることから選ばれたGluegent Flow

小野 様: ショッピングサイトのように物品を並べて見せ、必要な品物をクリックしたら購入申請が開くという動作を想定していたので、申請ごとに個別のURLを取得できることが最も大きな要件でした。

ワークフローを検索していくつかの製品が見つかりましたが、Microsoft 365と連携できる製品が少なかったというのが印象です。

Strategy & Digitalオフィス Digital Strategyプロジェクト 藤野 尚之 様:
単体で動くことを前提にした製品が多くて、金額もそれなりにするし、ノーコードでカスタマイズできる製品も多くありませんでした。システムを使いこなすことを属人化しないという方針もあり、製品選びには難航しました。

小野 様: Microsoft 365と連携できても申請モデルを作るために独自のスキルが必要だったり。本部のメンバーだけなら必要なスキルを学んでもいいのですが、ゆくゆくは各企業に管理を委譲したいと考えていたので、やはりスキルが属人化する製品は避けたいと思いました。私たちの本来の仕事はモビリティの提供であり、ITを勉強することではありませんし。

そのような要件で絞り込み、選んだのがGluegent Flowでした。Microsoft 365との連携機能があり、ノーコードで申請モデルを作れます。

――事業会社にはそれぞれの目的があります。S&D多摩グループ様では、それは多摩地域のモビリティに貢献することでした。ITはそのためのツールではありますが、その習得が目的になったのでは本末転倒です。簡単に使えること、すぐに業務に活かせることを命題にした製品選びは、本来の事業を伸ばすためのITツール選びのひとつの手本と言えるでしょう。

サムネイル画像を使って視覚的に訴え、誰にでも使いやすい申請フローを構築

小野 様: 企業を再編してホールディングス化、そこで使う統一のシステムとしてGluegent Flowを導入したので、申請モデルの数が多くて移行時はそれなりに大変でした。しかし、Gluegent Flowはノーコードで直感的に操作できて、簡単に教わっただけで誰でも申請モデルを作れるので、メンバーで分担できたのは助かりました。

Strategy & Digital オフィス 戦略プロジェクト プロジェクトマネージャー 高木 創 様:
ITが苦手な私でも申請モデルを作って展開できたので、使い方はわかりやすいと思います。細かいデザインはHTMLレイアウトエディターで作り込めますし、既存フォームを探してきてコピーして使えるので、似ているものをいくつか作るのも簡単です。私の他にも数人、使えるようになった人がいます。

Strategy & Digital オフィス Digital Strategy PJ Support Staff 谷口 碧 様:
最初は、いちから作るのは難しいと感じましたが、似ているフォームをコピーして編集することで、すぐに作れるようになりました。

小野 様: Microsoft 365に統一するため、Googleサイトで作っていた物品購入サイトはSharePointで再構築しました。カテゴリーごとにページを分け、サムネイル画像をつけてGluegent Flowの申請に直接リンクを貼っています。使い慣れたイントラネットから直接申請画面を開けるので便利です。申請フォームでは、単価と個数から合計金額を自動計算するようにしたので、計算ミスを防げるつくりになっています。

――PCの前に座って仕事をする人であれば、キーワードで検索して目的の申請フローにたどり着くのは難しくありません。しかしお客様を前に商談したり、油にまみれてお客様のクルマをメンテナンスしたりすることが本業の人には、容易ではありません。そういった事業本来の仕事に就く人々にも使いやすくするため、S&D多摩ホールディングス様ではサムネイル画像から直接申請フローにリンクを貼る工夫をされました。

最大3日かかっていた承認が即日対応できるようになり、業務効率化を提言するための集計も可能に

小野 様: 販売系列による重複はありますが、現在400弱の申請モデルが使われています。2023年12月の実績で2700件ほどの申請が行われており、十分に浸透していると言えます。

高木 様: 紙の書類で申請していた頃に比べれば、大きな変化がありました。書式を印刷して手書きして押印して社内メール便で送っていたものが、PC上で終わるのはやはり楽です。紙では最大3日ほどかかっていましたが、多くの申請を同日中に処理できるようになりました。どこで滞っているかわかるようになったことも大きいですね。

小野 様: 物品購入だけではなく、以前はお客様からのクレーム対応も紙の書類でやりとりされていました。対応に数ヵ月かかるような案件もありましたが、こちらもGluegent Flowを使うことでほとんどの案件を1ヵ月程度で処理できるようになりました。

電子化されたメリットはこれだけではなく、紙の頃にはできなかった申請の集計もできるようになりました。どのような物品の購入が多いのか傾向を把握したり、販促施策に対してパンフレットが実際にどれ位使われたのか、どのエリアで多く活かされたのかなど効果を把握できるようになりました。データをベースに経営に提言できるようになったので、まさにDXですね。

――DXを進めるためには、数字に基づいた確かな提言が必要です。しかし紙の書類がベースでは、そのための数字を集計することも困難です。S&D多摩グループ様はGluegent Flowのデータを活用し、頻繁に使われる申請を集計して数値化、業務改善に必要な説得材料も得られました。

今後は稟議、営業活動もGluegent Flowに移行し、グループ企業内にある情報を電子化、DXの推進に活かす

小野 様: 物品購入を中心にグループ内に浸透したGluegent Flowですが、まだ紙でやりとりされている書類が数多く残っています。経理関係のものは経理システムに移行予定ですが、それ以外の稟議書、修理依頼書などは順次Gluegent Flowに移行していくつもりです。インパクトのある施策を盛り込みながら、これからの1年はGluegent Flowを使ってDXを推し進めていく年にしたいですね。

一方でまだ課題も残っています。特に金額の大きな稟議においては、やはりPC上ではなく紙で見比べて検討したいという声があります。文字ベースの提案だけを見比べて、数千万円、数億円という案件を決裁するのはまだ抵抗があるのが実情です。そのあたりをどうブレイクスルーするかは、これから考えていかなければなりません。

また、Gluegent Flowをもっと使いこなしていくために、Gluegent Flowで申請された営業活動などの情報をデータとしてCSVでダウンロードして活かす方法も模索中です。BIのような使い方ができれば、社内にある情報をもっと活用できるのではないかと期待しています。

――グループ企業に数多く残っていた紙による申請をGluegent Flowに移行したS&D多摩グループ様。今後はGluegent Flowの活用を広め、グループ企業でやりとりされる情報の多くを、紙からGluegent Flowに移行することを考えられています。紙からGluegent Flowに移行することで効率化されるのは言うまでもありませんが、S&D多摩グループ様はそこから集められるデータにも着目しています。DX推進の施策を提言するための裏付けとしてデータが活かされたとき、S&D多摩グループ様はさらなる飛躍を遂げることでしょう。

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