導入事例

富士テクノロジー株式会社

富士テクノロジー株式会社 様

経理システム付随のワークフローからGluegent Flowに移行して活用範囲を拡大。使い慣れたExcelとの連携で会計システムとの連携も実現。

システム開発事業を大きな柱として多面的なビジネスを展開する富士テクノロジー株式会社。ソフトウェア開発だけではなくネットワーク構築など顧客がシステムを利用できる環境をワンストップで提供。さらに業務委託など社内の事業を組み合わせてBPOにも伴走する頼もしいパートナーです。メーカー系の資本から独立しており、顧客の課題に本当に寄り添った提案ができるのも、魅力のひとつになっています。昨今では人手不足解消のため未経験者の教育にも力を入れています。エンジニアをはじめ多くのスタッフが顧客先で作業する同社は、クラウド型にこだわってワークフロー製品を使ってきました。より広い活用を目指して、経理システム(楽楽精算)に付随するワークフロー機能から移行したのはGluegent Flowでした。

創業から数年、100名を超える規模になりワークフローのペーパーレス化を実施

取締役副社長 SI事業部長 村松 良浩 様: 14年前に創業した当時は数人の会社だったので、申請はもちろん紙でした。Excelで用意したフォーマットに入力して印刷し、社長のはんこをもらっていました。

ICT事業拡大に加えBPO事業等が活性化するにつれ、数年のうちに従業員は100名を超えました。100名規模になると紙では大変になるので、Googleスプレッドシートを使ってペーパーレス化を進めました。Googleスプレッドシートに用意したフォーマットに入力して、社長にはデジタルで押印してもらう仕組みです。押印の仕組みにはフリーソフトを使っていました。

社内のことなのでしばらくはこれで困っていなかったのですが、さらに数年経った頃に事情が変わります。ISMS認証(*1)を取得することにしたためです。今は新規のお客様とのお取引を開始するためには、ISMS認証が欠かせないんですよ。ISMS認証取得に際してワークフローのルールも整備したので、それを実際にシステム化しようという動きが生まれました。

客先に常駐しているスタッフが多いのでクラウドであることは必須、あとはそのときに必要だと感じた機能や価格で製品を選びました。実際に導入したのは経理に特化したシステム(楽楽精算)で、それに付随するワークフロー機能を社内に展開しました。交通費の立替精算などお金に関する申請がほとんどだったので、経理システムのワークフローと相性が良かったからです。乗り換え案内との連携やETC通行情報の読み込み、会計システムとの連携など、経理に関しては色々できるので便利に使っていました。

(*1) ISMS(Information Security Management System)認証とは、自社の情報セキュリティリスクを適切に管理できていることを第三者である審査機関に認められた証です。審査は機密性、完全性、可用性の視点から実施され、3年ごとに更新審査に合格する必要があります。

Microsoft 365への移行、会計システムの変更を契機に、新たな要望を盛り込んでワークフローを再構築

村松 様: 次の転機となったのは、基盤システムと会計システムの変更です。基盤システムは Google Workspace (旧 Google Apps)からMicrosoft 365へ、会計システムも以前とは別製品へ変わりました。こうした変更を経て、ワークフローにもいくつかの要望が生じました。ひとつは、SSO(シングルサインオン)で基盤システムとシームレスに使えるものがあればより便利になるだろうということ。もうひとつは、ワークフロー単体のシステムを導入したいということでした。会計システムや経理システムが変わる可能性があるとわかったので、経理システムとワークフローを分離しておきたいと考えるようになったのです。

IT製品の比較サイトに要件を入力し、おすすめの製品を検索しました。以前と同様、クラウドであることはどうしても外せません。それに加えて、既存システムのユーザー情報を流用できる製品を探しました。ほとんどのワークフロー製品は、利用するためにユーザー情報やマスター情報を新たに用意する必要がありますが、それだと運用負荷が大きくなってしまいます。その点、Gluegent FlowはMicrosoft 365と連携してユーザー情報を読み込むことができて、SSO機能も備わっています。個別にユーザー情報を整備する必要はなく、ユーザーもMicrosoft 365にログインしていればシームレスにワークフローを使うことができます。

SI事業部 クラウドビジネスグループ 坂井 美穂 様: Gluegent FlowはExcelで作ったレイアウトを読み込めるというのも、魅力的なポイントでした。入力フォームの並びだけではなく、書き込んだ注釈や文字の色もちゃんと反映されます。管理部門のスタッフにも、安心して引き継ぐことができます。HTMLなどの専門知識を持っているスタッフは限られますが、Excelなら使える人が社内にたくさんいますから。

――富士テクノロジー様は新しく生じた要件を整理し、今のビジネス環境に適した製品を選んでワークフローを再構築されました。その際に注目された機能はSSO、Excelによるレイアウト作成など利用者側の視点に立ったものと感じます。SSOがあればログインを意識することなくワークフローを使えますし、Excelを使って専門知識なく運用できればシステム部門ではなく業務に詳しい管理部門が運用を担当できます。

承認済みの申請をExcelに書き出すことで、自由度の高いシステム連携を実現

村松 様: 2023年7月にGluegent Flowを契約し、9月から社内に展開しました。システムそのものは直感的に使えて、Excelでレイアウトを作るのも苦労はありませんでした。一番大変だったのは、社内の組織変更とタイミングが重なってしまったことですね。Microsoft 365のユーザー情報を使うので、私としては組織変更が終わってから各種設定をしたいわけです。けれども社員は、組織変更後すぐであっても立替精算が使えるようになっていなくては困ります。結局、9月上旬は以前使っていた経理システムと並行して動かす移行期間を設けることにしました。

坂井 様: Excelを使ったレイアウトづくりは、予想通りスムーズでした。Excelで作ったレイアウトを読み込んで画面を操作してみる、想定通りに動かなかったらExcelを修正して読み込むことの繰り返し。インターフェースが使い慣れたExcelなので、操作に迷うことがありません。

村松 様: 立替精算に必要な振込機能もExcelとの連携で実現しました。振込に必要な全銀協規定フォーマット(全国銀行協会連合会が定めたファイル形式)への変換に関しては、各金融機関から変換マクロなどが提供されています。しかし環境に依存するようで、当社ではうまく動きませんでした。そこで利用したのが、Gluegent FlowからExcelへの最終行出力です。立替精算が承認されると、振込先や金額などの情報が決まったExcelファイルに書き出されます。このExcelにはマクロの実行ボタンが配置されていて、クリックすると全銀協規定フォーマットのテキストファイルが出力されるようにしたのです。

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振込に必要な口座情報は申請者にひもづいていて、自動的に入力されるようにしました。しかし承認者には口座情報を見る権限を与えず、承認の際にも不要な情報が表示されないように設定しました。こうすることで、申請に口座情報を持たせつつ個人情報の拡散を防いでいます。

坂井 様: マニュアルがしっかり用意されていたのも、導入時に助かった部分ですね。クラウド製品は簡易なマニュアルしか公開されていないものが多い印象なのですが、Gluegent Flowは管理側、申請側の双方が使えるマニュアルが提供されています。そのせいか、ワークフローの移行に関して社内からのクレームや抵抗はありませんでした。

――出力機能や連携機能が備わっている製品であっても、全銀協規定フォーマットなど業務に特化したデータ形式を用意できるとは限りません。Gluegent Flowは承認された情報をExcelに書き出すことができるため、関数やマクロを使って自由に加工して使うことができます。

導入後に生じた要望にもGluegent Flowの機能を使いこなして短時間で対応、今後の活用にも期待

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坂井 様: 組織変更と重なるとわかったときにはどうなることかと思いましたが、交通費、日当付きの出張、備品購入など日常的に使う7種類の申請を、9月上旬に提供することができました。

村松 様: 運用開始後すぐに、インボイス制度への対応も行いました。勘定科目に補助科目を設定する必要があるのですが、親子リストの機能を使って対応することができました。以前使っていた経理システムのワークフローに比べて、機能が豊富で柔軟に対応できるので変更要請にも対応しやすいと感じます。

レイアウトを作ったり承認後の情報を書き出したり、Excelとの連携機能にも助けられています。Excelデータを変換したり読み込んだりできるシステムは数多くあるので、Excelに書き出すことができればあとはなんとでもなるという雰囲気です。

今後どういうワークフローが欲しいか、社内のリクエストを聞いていますが、かなりのことは実現できるだろうと感じています。Gluegent Flowと販売システムを連携させれば販売管理システムも作れるのではないか、なんて話もしていて、今後の活用の広がりが楽しみです。

――富士テクノロジー様はGluegent Flowの機能でできること、Excelとの連携でできることを見極めて、柔軟な活用に進み始めています。これからも社内の課題を解決してビジネスを成長させていくために、Gluegent Flowが支えとなっていくことでしょう。

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