Googleサービスの導入を機にGluegent Flowでワークフローをクラウド化。計画的な段階導入でスムーズに全社展開し、SDGsも意識した申請業務のペーパーレス化を実現。
セントラルソフト株式会社は、官公庁から金融・流通・製造・医療・教育系まで幅広いお客様に、システム開発・インフラ構築・IT運用管理という3本柱を主事業として、さまざまなソリューションを提供されています。
多数のエンジニアが在籍し、SESとして社外業務が多いなかで社内の情報共有などを目的にグループウェアの導入を進められ、その一環としてワークフローをクラウド化。SDGsの活動にも積極的に取り組まれており、今回の導入によりコストや工数の削減という社内的な業務効率化のみならず、ペーパーレス化という社会的貢献としても大きな効果をあげられました。
クラウドサービス導入プロジェクトチームの編成
代表取締役社長(経営企画室長 兼任) 古賀 健太郎 様:
私は本プロジェクトにおいて、社長としてというよりは経営企画室の室長として、会社に対しての提案をする立場でした。大迫、工藤の両名が実際の調査を行い、それを材料として3人で検討を重ね、最終的に役員会への提案を行いました。
経営企画室 マネージャー 大迫 貴彦 様:
私の所属は経営企画室で、普段の主業務としましては、会社の中長期計画の策定や会社全体の方針を検討する部署になります。そのなかで情報管理部の役割も一部兼任をしており、今回のGluegent Flowの導入も担当しました。
経営企画室 マネージャー 工藤 忠幸 様:
私も経営企画室の所属で、製品やサービスを検討し提案する立場として、今回のGluegent Flow導入に携わりました。
Googleサービスの導入と同時に、不足機能を補うクラウドワークフローを導入
古賀社長:導入の背景として、もともとビジネスチャットやファイル管理のサービスなどを局所的な課題解決のために利用していました。また、それとは別に社内業務もアナログで、人の能力に依存する傾向が強かったため、全部門の業務に活用できる横断したシステムを導入し、全社的な効率化を図っていこうということでグループウェアの検討が最初に始まりました。その流れの中で、課題の一つに挙がっていた申請・承認処理の煩雑さも解決していきたいという思いもありました。しかし、検討しているグループウェアではワークフローの機能が無い、もしくは弱いということが分かり、機能の一つとしてワークフローの導入も同時に検討対象となりました。
まず申請全般が紙で運用されていたということが、申請・承認処理の課題でした。また、基本的に社員が社外にいるため、エクセルなどのドキュメントを作ってメールで添付して送信するという申請側の手間がありました。そして、さまざまな形式で送られてくる承認側の負担もありました。さらに承認者不在によるフローの遅延などが付帯的な課題でした。
グループウェアの導入については、検討の結果、コストパフォーマンスなども含めてまずGoogleサービスの導入が決定しました。次に不足しているワークフロー機能をどうしよう?となり、Googleサービスとシームレスに連携してデータを一元管理できるということ、カスタマイズの柔軟性が高いということが決め手となってGluegent Flowの導入が決定しました。
――最初にGoogleサービスの導入が決まり、Googleサービスありきでのワークフロー機能の検討となりました。Googleサービスとの連携が可能で、JavaScriptでカスタマイズもある程度できるという、他のパッケージではできない良さが、Gluegent Flow の導入決定につながりました。
導入推進のポイントは事前調査とチーム作り
古賀社長:グループウェアの導入というところでは、IT企業としていずれはそうなるであろうという役員間での共通認識もあり、大きな反対はありませんでした。しかし、従業員=IT専門家のような環境でもありますので、データを外に出すというクラウドサービスに対する不安が多少ありました。
大迫様:やはり従業員の中でも、社外の色々なところで仕事していますし、情報漏洩などセンシティブな問題を気にする人も一定数いました。
工藤様:反対というのはなかったのですが、いかにクラウドに対する不安を払拭するか、というところがありましたね。そこは社長に、よほどのことが起こらない限り大丈夫、会社に置いておくより安全ですよ、というように話していただきました。社長に推進派としての立ち位置で協力していただけたので、そこはやりやすかったと思います。
古賀社長:様々な機能要件がある中で、どのような組み合わせにしたら1番要件を満たし、費用対効果が高いかをまとめるように意識しました。具体的には、いかにビジュアル的に見せやすくして納得してもらうかということ。いろんな製品を並べて対比表にしてマルバツをつけたり、点数をつけたりしました。そのうえで、誰が見てもわかる、どの年代が見てもわかるし納得できるというような事を意識してやりました。
オンプレミスとクラウドではリスクやコストという面での対比で、どこの会社も導入の課題になるケースがあると思います。そこは費用対効果の数字をしっかりと算出し進めていきました。クラウドは月額なので、一時費用のオンプレミスに比べて長期的な費用に換算するとコストアップします。しかし、情報共有の活性化や、導入したGoogleサービスの機能で可能になる業務効率化、運用・保守コストから試算すれば、結果コスト削減になるので問題はない、というように詳細な項目を積み上げていきました。
あとは専用チームを作ることも大事だと思います。
大迫様:通常業務をしながらだと、どうしても時間がかかりますので、専用チームの方が効率的だと思います。さらに、1人でやるよりは2人で意見をぶつけて壁打ちしながら検討したのが良かったと思います。
工藤様:導入を検討されている会社では、最初に必ず出てくる課題だと思います。どこの会社も基本的には人的余裕がないことが多いと思いますので、そこを打破するのは何かと言われると難しいですが(笑)、決裁権に近い人をチームに入れて味方にする、というのは間違いなく必要なことだと思います。
――経営層の立場の古賀社長が今回の導入担当チームのトップとして兼任されていたこと、そして事前調査をしっかり行い誰もが納得できる資料を作成したことが、社内の不安を払拭し導入への大きなステップとなりました。
段階的な導入と展開で、コロナ禍の不安定な環境においてもスムーズにリリースが完了
大迫様:2019年1月に、検証のためにまず6名でGoogleサービスとGluegent Flow を導入しました。基本的には経営企画室で通常業務もこなしつつ、グループウェアの運用設計や設定を並行して実施しました。少し時間はかかりましたが、そこから段階的に本社スタッフに広げて、2020年4月に Googleサービス、2020年6月に Gluegent Flowを全社リリースしました。
古賀社長:このタイミングでリリースできたので、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、スムーズにテレワークへの移行ができ、まさに奇跡的なタイミングでした。他の役員の方々もとても喜んで、本当に助かったよ、と彼らに対して言ってくれたので、私も本当に良かったなと思いました。
大迫様:もしこの導入ができていなかったら、テレワークの実現は難しかったと思います。VPNを利用してファイルサーバを公開するなど、おそらくつぎはぎでシステムを入れることになっていたと思いますね。
古賀社長:実際の導入では、本社スタッフ30数名に先行導入しました。その効果もあり、全社リリース前にある程度運用が確立することができ、大きな混乱はありませんでした。導入の際、最初に管理者層にリリースして認知度をあげておいたことで、周りに聞けるメンバーができ、全社リリースの際、細かな質問・疑問の回答もしてくれたため、経営企画室まで質問があまり回ってきませんでした。大きな混乱なくスムーズに導入できたのはまさに先行導入の効果だったと思います。
大迫様:Googleサービスのセミナーに参加した際に、展開戦略としてエバンジェリストを立てるのがいいと聞いていました。全国に拠点がある企業などは、拠点毎に何人か優先して使用してもらい、プレミア感をもたせるような話しもあり、それを参考にしました。
――コロナ禍で環境が変わっていくなか、テレワーク中のシステム移行となりましたが、段階的にリリースをしたことで、大きなトラブルなく移行が完了しました。コロナ禍の緊急事態宣言下という特殊な環境での展開でも、スムーズにいくということが実証されました。
申請・処理業務のクラウド化で達成できたさまざまな効果
古賀社長:現状は、フォーム数でいうと20〜30件くらいの申請が運用されています。休暇届や備品購入、出張申請や名刺申請などの一般的なものから、入社時のGoogleサービスのアカウント申請、営業スタッフが契約情報などを共有する際の業務連絡メモのような形でも利用しています。これらの申請も、紙ベースであったり、電話やメールで連絡したりと、人それぞれで申請していた形式をクラウド化することができました。
クラウド化されたことで図れた効率化としては、2020年4月の導入から今までで約6,300件の申請がされています。それが今まで紙やメールでやりとりしていたというところから考えると、その分の紙や印刷のコスト、さらにそれにかかっていた工数が削減されました。
大迫様:あとは、紙での運用時には、申請フォーマットを変更したときに周知しづらいという課題がありましたが、Gluegent Flowを導入したことでそれを解決できたというのは効果の一つだと思います。これまでは、フォーマットをダウンロードする手間もあり、フォーマットを個々でカスタマイズしてしまっているようなことがありました。先日、育児介護休業法の改正がありましたが、休暇届フォーマットの変更・周知がスムーズにできて、期待していた改善効果を得られたと思います。
今後の活用展望としては、業務フローの中でもう少し載せられるものがあるのではないかと思っています。例えば入社したら誰が受け付けて、次にアカウントを作る担当者を設定するなど、入社手続きに合わせて担当者を変更していくような業務についても適用できるのではないかと考えています。
工藤様:実際にワークフローの作成や設定時には、我々の要件を満たすための解決方法を模索するところでコストや手間がかかりました。そこはクラウドコンシェルジュを利用してサポートしていただき、大変助かりました。
Gluegent Flowの機能で1番助かったと思ったのが、ワークフローの申請経路のユーザー選択時に承認者選択の可否を制御できる点ですね。Googleサービスと組織を連携すると、部門も申請経路に選択できるようになります。全社展開した際に、使用するはずのない『全社』相当の部門を誤選択するユーザーが何名か出て、申請が全社に流れてしまったことがありました。ですが、すぐにこの制御機能で選択できないように設定できました。
古賀社長:あとは、Gluegent Flowにもっといろんな機能が拡張されていけば活用の幅というのはもちろん広がっていくと思うので、その際には検討していきたいと思っています。
――セントラルソフト社では、Googleサービスや Gluegent Flowの導入により、コストや工数の削減を実現。コロナ禍でのまさにベストなタイミングで、セキュリティレベルを落とさずスムーズにテレワークを実施できました。また、SDGsを意識したペーパーレス化という社会的貢献としても大きな効果をあげました。