社内業務改善の目的で導入。移行前の業務整理による効率化とペーパーレス化に成功し、自社事例としても活用。
株式会社アイエスエフネットは2000年に設立。外資系のIT企業出身の渡邉社長は、早くから業務のIT化を見据えた考えを持っていました。創業時から、スキルだけではなく礼節も重んじられるエンジニアを育てたい、また、無知識・未経験のエンジニアを育てていきたいという思いで派遣業務の分野でも成長してきた会社です。
外販でGluegent 製品の取り扱いの開始とともに、社内業務改善の一環として自社内での導入も決定し、各種申請・承認業務をGluegent Flowで運用を開始。移行前に業務整理をしっかりと行い、業務の効率化とともにペーパーレス化にも成功しました。
社内の業務改善の一環で、申請業務のデジタル化を目指してGluegent Flowを導入
コンサルティング本部 情報システム部 ソリューション開発グループ 横地 友孝 様:
弊社は、エンジニア派遣を主軸としており、社内インフラに触ることができないエンジニアを数多くかかえています。常駐先でお客様指示の元で働いているメンバーと、メールのやりとりや月末月初の勤怠確認、イベントごとの作業指示など、高頻度でコミュニケーションをとらなければなりません。また、社内のメンバーとも同様のコミュニケーションがあり、煩雑なやりとりが日々繰り返されている状況でした。そこでそのような業務の効率化を目的に、社内で業務改善のプロジェクトが立ち上がり、ワークフローのデジタル化の課題があがったのが導入のきっかけです。紙の省略化も含めてツールの検討がなされて、外販としての取り扱い製品でもあり、まさにこれならいけるだろうとなったのが Gluegent Flow でした。
コンサルティング本部 クラウドソリューション部 第3グループ グループリーダー 遠藤 昌孝 様:
私は、当初はお客様向けの Gluegent Flow の案件に関わっていたのですが、社内導入のプロジェクトに参加して、社内に展開するところを進めました。
横地様: 私は、情報システム部でさまざまなプロダクトの検証を行い、社内利用したり外販につなげるための効果測定をしたりしています。今回の Gluegent Flow の導入にあたっては、情報システム部と技術部門、総務や人事などの管理部門との橋渡しの立場で、PMとして社内調整を行いました。弊社はこれまで Microsoft 365 の販売に注力してきましたが、このタイミングで Gluegent Flow を取り扱うことになったのも、導入の要因の一つです。Microsoft 365 と連携するワークフローが多くなかったこと、競合製品と比較して導入しやすい価格も決め手になりました。
遠藤様: どのツールを入れるかとなった際に、外販の案件を見据えて、まずは社内で使って理解するところがファーストステップとしてあり、それをもってセカンドステップとして外販につなげたいという思いがありました。社内で展開できたことで、お客様にも自信を持っていろいろな提案ができますし、弊社でもこういう使い方をしています、という言葉が非常に重みのある形で伝えられています。
――社内の業務改善のタイミングと、Gluegent Flow の外販を見据えて社内での製品知識を積んでいくタイミングが重なり、今回の導入にいたりました。Microsoft 365 と連携できる点、コストパフォーマンスが高い点も評価につながりました。
ワークフローの作成前に業務整理を行ったことにより、スムーズに運用開始
遠藤様:導入後、まず初めに稟議書の作成から始めました。稟議書は、元々のExcel でのフォームを極力変えずに作ることが前提としてありました。決まったレイアウトの中で、選択肢の設定や入力項目の自動化などを使い、できるだけ元の申請書に近づける部分では苦労しましたが、イメージはしやすく設定自体は難しくはありませんでした。理解して作ったというよりは、操作しつつ覚えながら作っていけたので、使いやすかったと思います。導入時の設定でわからない点は、Gluegent のカスタマーサクセス担当の方に質問させていただきました。回答だけではなく、システム上の仕組みも添えて教えていただけたので、その後も応用して使えています。
横地様:実は稟議書の作成の前段にも苦労がありました。すでに紙ベースのものをただうつせばいいわけではなく、稟議書をどう管理しているかという業務整理が必要だったからです。Gluegent Flow へ設定するため、今まで曖昧になっていた部分も細かくケース分けをして決めていくところが大変でした。たとえば、各部署の承認できるメンバーは誰か、申請できるメンバーは誰で、それに対する承認者は誰か、というようなことです。インターフェース自体はわかりやすく、展開以降は込み入った質問は特にあがらずにすんなりと使えています。業務整理を開始してから一ヶ月ほどで、運用にのせることができました。
遠藤様:稟議申請の他には、今回の新型コロナウイルス感染症の影響もあって、在宅申請のクラウド化も行いました。それ以前から在宅申請は開始していたのですが、当時はまだ Excel ベースの紙の申請書で運用していました。緊急事態宣言の発令を契機に、人事からの要望により作成したのですが、申請者は在宅しながらの申請が可能となりました。
横地様:使用頻度としては、稟議書だと月平均で20件ほどあがってきます。ほぼ誰かしら毎日1件あげている、そんな状況ですね。これをクラウド化できたことは、大きな効率化につながりました。
――紙ベースのものをシステム化するには、ある程度ルールを明確にしなければなりません。必然的に並行して業務の見直しも必要になるため、これも効率化につながりました。
社内でのスキルトランスファーやスマートフォンの活用で、利便性の高いワークフローシステムに
横地様:今後の展望としては、我々から社内へスキルトランスファーをして、使えるメンバーを増やしていきたいと考えています。稟議書は総務側でイニシアチブを取ってもらい、必要な申請や改変が発生した場合は自分達で対応できるようにしていきます。情報システム部としては、コアな技術を保持して技術的な部分の相談を受けつつ、ワークショップなどを開催して社内にどんどん伝播していきたいというビジョンを持っています。すでに、部内回覧などに使ってみたい、という声も聞いていますし、あれができるならこれもやりたい、という要望も多数あがってきている状況です。
また、今後はモバイル利用での展開も視野に入れています。すでにスマートフォンから承認処理を一部で行っていますが、ビジネスチャットツールでの通知の受信などができれば、利便性があがります。通知の受信だけではなく、サインインなしでツール上からすべて申請や承認ができると嬉しいですね。モバイル版とPC版での切り替え機能もあれば、より使い勝手が広がると思います。
――End-User Computingのような形でスキルトランスファーし、情報システム部だけではなくそれぞれの部門で対応することで、業務の効率化を目指していくというところに取り組まれています。またスマートフォンでの活用が進めば、より利便性も高まりクラウドワークフローの利用価値もあがります。
申請業務のクラウド化にみる課題と、それを解決するメリット
遠藤様:今回 Gluegent Flow を入れることによって、そもそもの申請業務の課題が見えてきました。申請業務のあり方を考えることで、その後のメンテナンスの手間なども変わってきます。多少のイレギュラーをそのままワークフローにのせるのではなくて、あらかじめフロー自体を見直してシンプルにした上でやるというのが一つ。 手間はかかりますが、それが業務の見直しにもなってくるという意味ではとても重要なことで、今回非常に勉強になりました。G Suite と連携しているので、組織が変われば調整が必要になります。G Suite 側の動きも考えながら情報システム部側でも整理をするという話にもつながり、意識していなかった部分の業務整理の必要性を認識できたことは、メリットだと思います。
横地様:導入を検討中の方へのアドバイスになるかわかりませんが、はじめから100%は難しいということをお伝えしたいと思います。やっているうちに気づいたのですが、 スタートさせたい部分だけに絞ってまず踏み出すことが大切で、そこから見えてくる課題を走りながら直していけばよいと思います。
――アイエスエフネットの渡邉社長は、これからはツールに合わせて働くべきだと考えておられるそうです。そのお考えに合わせて、ツールを使う人間がイレギュラーな使い方のために振り回されるのではなく、どうすればツールに合った働き方ができるかを検討することが今後の課題とのこと。Gluegent Flowの導入を自社事例として育てながら、今後の外販にもつなげていくそうです。