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5分でわかる「コード・スイッチング」とは

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5分でわかる「コード・スイッチング」とは

こんにちは、サイオステクノロジーGluegentサービスラインのジャレド・ウォレスです。今週の記事は久しぶりに言語をテーマにしたいと思いますが、皆さんは「コード・スイッチング」というのを聞いたことがありますか?残念ながらプログラミング言語の「コード」とは関係ありません。マルチリンガルでないとあまり意識したことないだろうと思いますが、「話している間に2つ以上の言語または言語変種の切り替えをする」といった語学的な現象です。この現象について説明しながら自分の気づきや感想を語っていきたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願いします。

コード・スイッチングのイメージ

まず具体的にコードスイッチングとは何なのか、そしてどんな時に起きるのかについて少し深掘りしましょう。先ほど説明した通りではありますが、人が1つの場面で2つ以上の言語または言語変種を都合よく切り替えて話をすることです。ちょっとイメージが湧きにくいかもしれないので簡単な例文を見ながらなぜコードスイッチングをしたのかを想像してみましょう。とりあえず話し相手は日本語も英語も分かる前提で考えましょう。

例1)Today I went to the doctor. とても忙しかった。

一番シンプルでよく見るコードスイッチングですが、文章を区切って次に言語を変えるパターンになります。次のように、文章の途中でも言語を切り替える場合があります。

例2)Today I went to the doctor, but 診察券を忘れたからそのまま帰っちゃった。

上記は自分のコードスイッチングによくあるパターンになりますが、単語をきっかけに言語を切り替えることがあります。「診察券」は海外で使われることがなく妥当な英単語がないので、都合よく日本語に切り替えます。

少し余談ですが、他にバイリンガルの方は気づいているかもしれませんが、上記の例文は英語でも日本語でも文法的に正しい構成になっています。これは intrasententional code-switching と言い、「単語を借りるだけ」(borrowingまたはinsertional code-switching)との区別がつくポイントになります。例文2のと比べて、「単語を借りる」の例文3をみてみましょう。

例3)Today I went to the doctor, but I forgot my 診察券 so I just went home.

コードスイッチを行う理由は他にたくさんあります。よく出てくる要因は「話し相手の共感を得る」ことによって縁の深まりや、自分はとある社会グループの一人であることなどで使われることが多くあります。よくある例えですと、本来英語で話しているアメリカの政治家がスピーチの途中でスペイン語を話してメキシコ人の共感を得る、などです。

同じ言語でも...?

一番最初の定義に書いてあるのにあまり触れていなかったですが、コードスイッチングは「言語」と限った現象ではなく「言語変種」でも行われることがあります。つまり、日本語だけでも「方言」や「敬語」ベースでのコードスイッチングもあります。皆さんも心当たりありませんか?普段敬語を使っている同僚相手でも、場合によってちょっとタメ口での表現を含んで話をするなど、あると思います。「話し相手の共感を得る」のも、標準語や方言を切り替えたりすることはあるでしょう。

以上、軽く紹介した「コード・スイッチング」でした。いかがでしょうか。少し語学オタクっぽいところは出てしまいましたが、普段考えていないことについて少しでも考えていただけたら幸いです。最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

Jared Wallace