ChatGPTシェフのレシピを日本語と英語で比べてみた
こんにちは、サイオステクノロジーGluegentサービスラインのジャレド・ウォレスです。今週の記事は話題のChatGPTがテーマになっておりますが、具体的な技術などといった内容については触れません。それより、単なる好奇心と遊び心で、定番のChatGPTの使い方である「○○を含んだレシピを教えてください」に言語の様子を加えて、「同じ材料で英語と日本語それぞれでレシピを聞いてみたら答えがどう変わるのか」について紹介していきたいと思います。
背景
まず、そもそもなぜこんな記事を書こうと思ったというところから話していきます。簡単に言うと、ChatGPTは大規模言語モデル(LLM)で自然言語処理(NLP)を行うチャットボットですが、実際使われるLLMの元に学習対象となった大量のテキストデータ(ネット記事など)が必要とされます。当たり前ですが、そちらのテキストデータは全言語共通という訳ではありません。従って、学習されたテキストデータが言語によって違う分、同じ質問でも言語によってChatGPTが答えてくる内容が変わるはずということです。
そこでふと思ったのが、ChatGPTに同じ材料で英語と日本語それぞれでレシピを頼んだら、データセットの違いによって、英語の方が洋風テイストで、日本語の方が和風テイストになるのではなかろうかという発想でした。それでは、実際やってみましょう!
フリースタイル編
とりあえず自分が常時ストックしている材料とたまたま冷蔵庫にあったものを入力したらどんな料理が返ってくるか、シェフGPTの気まぐれスペシャルを聞いてみました。
下の方に書いてある「パスタがやや乾燥している場合」は少し違和感ありますが、普通にありそうなシンプルレシピになりましたね。英語版もみてみましょう。下の方にも、ChatGPTに翻訳してもらったものも貼ってあります。
なんと!思いのほか、日本語版がパスタにした一方、英語版シェフGPTがどんぶりのレシピを選びました。レスポンスを再生成したら違うレシピになるのかなと思って何回か試しましたが、プロンプトが一緒だからかセッションが関係しているからか、日本語シェフGPTがずっとツナ缶トマトパスタでした。英語版シェフがほとんどツナガーリックどんぶりで、1回だけツナガーリックチャーハンになりました。
固定材料編
次は固定された材料リストでも違うレシピが返ってくるかを調査しようと思いました。先ほどのリストを絞って少しだけ変更してみて、牛丼をイメージした材料で実施することにしました。まずは日本語シェフのレシピから。
作り方を読めばわかると思いますが、ごはんができた後に加えてる分、まあ炊き込みご飯じゃありませんね。料理という意味で、砂糖とみりんが両方結構入っててちょっと甘そうと思いました。それは置いておいて、英語シェフのレシピも。
Stir-fry(洋風チャーハン)になりました。子供のころによく食べていたもので懐かしい気持ちになりました。
今回は英語で質問した分洋風なレシピになりましたが、今回は日本語のレシピにはみりん、つまり英語圏でほとんど使われていない調味料が入っています。N-of-1ですが、全く同じ料理でも、下味や調味料の分量が言語によって違ったりするのかなと思いました。そこで今回最後に実験を決めました。
固定料理編
ということで、全く同じの料理のレシピを頼んだら、同じ材料や調味料になるのかについて試すことにしました。英語圏でも人気の料理を選んだ方がいいと思ったので、今回はカルボナーラにしました。分量がより比較しやすいように2人前のレシピを明確に頼んでみました。まず日本語版から。
最後のコメントは謎ですが、レシピ自体はかなり良いと思います。では英語も。
まず作り方はほぼ同じですね。材料も、スパゲッティのグラム数、卵の個数、チーズのグラム数は全く同じです。ベーコンに関しては、枚数という風に書かれていて、本場イタリアのカルボナーラに使われるパンチェッタでも作れるように書かれてます。完全に違うのは、英語版にニンニクが含まれているのと、生クリームがないという点だけになりました。生クリームが抜かれていることが不思議と思って調べてみましたが、本場イタリアのカルボナーラに生クリームが使われていないようです。ということは、この違いは、多くの英語のカルボナーラのレシピに生クリームが入っていないことの影響ではなかろうか、と思いました。そういう意味で、同じ料理でもこういった細かい変更が出てくるを試みに成功できた気がします。
以上、「ChatGPTシェフのレシピを言語別で比べてみた」でした。単なる好奇心で試してみようと思いましたが、意外とChatGPTについて学びになった気がしなくもないです。皆さんもこういった遊びをしてみて、シェフGPTの料理を作ってみてはいかがでしょうか。最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。それでは、また次回にお会いしましょう!
Jared Wallace