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スプレッドシートに書き込みを行っているのは誰?

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スプレッドシートに書き込みを行っているのは誰?
Gluegent Flowの強みの一つは「自動処理」です。一つの申請を作成して回覧して終了ではなく、承認処理を行ったら、◯◯さんにメールを送る、決裁処理を行ったら△△システムにデータを登録、といったことがGluegent Flowから実行できます。今回はGoogle WorkspaceでGluegent Flowをお使いのお客様に一番ご利用いただいている自動処理「スプレッドシート行追加」の権限周りの仕組みをご紹介いたします。

スプレッドシート行追加自動処理とは?

まず、「スプレッドシート行追加自動処理」をご存じない方に簡単にご紹介します。
この自動処理は、タスクの内容をスプレッドシートに書き出す、出力するというものです。
例えば、稟議申請であれば、タスク番号、申請者、承認者、申請日時、入力フォームの内容などが、スプレッドシートに1 行ずつ出力されます。

同じような自動処理に「スプレッドシートバッチ追加」がありますが、こちらは出力する列の指定や複数行の出力に対応しています。
詳しくは下記マニュアルをご参照ください。

スプレッドシートには誰が書いている?

さて、それでは本題のスプレッドシートに書き込みを行っているのは誰か?ということについてご案内いたしましょう。
ズバリ「スプレッドシートのオーナー」です。
この自動処理はGluegent FlowからGoogle APIを使ってスプレッドシートへの出力を行っています。スプレッドシートのオーナーの権限を使ってスプレッドシートに書き込みを行っています。
実際にスプレッドシートの変更履歴を開いて、書き込みを行った履歴をご覧いただければ、誰が編集を行っているかが明らかになります。

ただ、ここで重要なのは、「いつのオーナーか?」ということです。
実は、この自動処理はスプレッドシートを選択した時のオーナーの情報を記憶しています。

つまり、自動処理を設定後にオーナーを変更しても、以前のオーナーがスプレッドシートに書き込みを続けます。
自動処理のオーナーの記憶は塗り替えられません。

もし、以前のオーナーの編集権限を剥奪してしまうと、スプレッドシートの書き込みは失敗してしまいます。

クラウドコンシェルジュにいただくお問い合わせでも、「スプレッドシートにデータが書き込まれなくなってしまった」というものが少なくありません。

この自動処理を使うときのポイント - ケーススタディ

このような「権限」絡みのトラブルを回避するために、モデルを作成する時から「オーナー」「編集権限」を意識してください。
特に、モデルを作る人、モデルを使う人、データを参照する人が分かれている場合にこういったトラブルが良く起こります。
ケーススタディ〜営業部で使うモデル
営業部の田中さんが情シス部の中村さんに、営業で使うモデル作成を依頼しました。
(田中さん)「営業部で使うモデルを作成してください。作成されたデータをスプレッドシートに出力できるようにしてください。」
(中村さん)「承知しました」

中村さんがモデルを作り、スプレッドシートも作ります。そうすると、スプレッドシートのオーナーは中村さんになります。自動処理に記憶されている「スプレッドシートのオーナー」も中村さんになります。
「完成しました。出力されるスプレッドシートのデータを参照できるよう、田中さんを編集者にしてあります。」

実際にモデルを使い始め、スプレッドシートにデータが出力されることを確認した田中さんははたと気が付きます。
「あれ?このデータ、中村さんみ見えちゃうとまずいなぁ・・・」

そこで、田中さんは中村さんにそれを伝えます。
「オーナーの権限を私にしてもらえますか?」
「承知しました。田中さんにオーナーを譲渡しますね、権限周りは田中さんの方でお願いします。」

田中さんは中村さんの編集権限を剥奪し、閲覧権限を剥奪しました。
この結果、自動処理でスプレッドシートに出力できなくなってしまいました。
また、モデル一覧ではエラーが表示されるようになってしまいました。
このケーススタディでは、モデルを作る前に、スプレッドシートのオーナーを田中さんにしていれば、避けられました。
このように、誰が使うためのモデルか、ということを意識しておくことで、こういったトラブルを回避することができます。

エラー解消方法1〜自動処理の失敗

スプレッドシートの元オーナーの権限を剥奪したことで、自動処理が失敗してしまったときは、元オーナーの編集権限を付与してから、自動処理の再実行を行ってください。
自動処理の再実行は自動処理結果から行います。

エラー解消方法2〜モデルのエラー

上の例のように閲覧権限を剥奪すると、モデル一覧でエラーメッセージが表示されます。

対象のモデルを開くと更に詳しいメッセージが表示され、対象の経路が赤く表示されます。

このメッセージを手がかりに、対象の自動処理を開き、スプレッドシートを再設定してください。虫めがねアイコンをクリックし、スプレッドシートを選び直すことで、今のオーナーの情報を取得し、自動処理に改めて記憶されます。「保存」をクリックして、モデルの編集内容を保存してください。
この修正後に実行される自動処理は今のオーナーの権限でスプレッドシートに書き込まれます。
スプレッドシート行追加・スプレッドシートバッチ追加自動処理の権限は特に難しいのですが、この記事をお読みになって、少しでもモヤモヤが晴れましたら、幸いです。
Gluegent Flowのマニュアルにも「自動処理 - 自動処理の実行と権限について」という記事を作成しましたので、併せてお読みいただければ、ご理解が深まるかと存じます。
(SUTO)