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今すぐできる!そのワークフローを プチ改善 講座 第二回:システム連携その前に...決裁情報の出口の交通整理

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今すぐできる!そのワークフローを プチ改善 講座 第二回:システム連携その前に...決裁情報の出口の交通整理
前回投稿では組織内においてのメールの滞留・移動体通信速度の爆発的な向上、メッセージングサービスの台頭とワークフロー内での対応についてご案内させて頂きました。(期間を大きく空けてしまい申し訳ございません...) 。
 本稿ではワークフロー内の入出力項目(≒組織内の意思決定事項)を繋ぐ活用方法についてご紹介します。

よくある経費の申請と承認のフロー

 まず例として、下図に示した多くの組織で行われているであろう 経費の申請とその承認を取り上げます。

かつてはこうした一連の流れは 口頭やメールで打診、紙の文書を回覧するといった形で最終的には決裁された費目と金額が帳簿に記載されていました。

 2000年以降はスタートアップから大規模問わず多くの組織では財務会計・経費精算・ワークフロー...とシステム化され、個別の部門で処理されているかと思われます。

 トップダウンの意向による全体最適化でERPというケースもございますが、本邦では個別部門の要望で一部業務を順次システム化する個別最適化の例が未だ多いのではないでしょうか。

 

 こうしたケースで組織内の情報システム部門ではシステム間のデータ連携に都度対応されているかと思われますが、個別のシステムの改修やリプレイスがあり、また当然ながら限られた予算・人手・納期といったリソース都合でおざなりになることも已む無しな事案もあるでしょう。いささか極端な例となりますが、例えば以下の様な...

 <申請者の気持ち>

  • ワークフローで決裁されたらまた経費申請で同じ情報を登録しないといけない

<財務経理担当者の気持ち>

  • 経費申請情報の内容を財務会計の勘定科目に置き換えて、財務会計システムに登録しないといけない

 上記の様にシステム化されていたとしても、同じ情報の再入力、当然ながら入力ミスもあるわけですから確認といったコストが日々、積み重なっていることも多いのではないでしょうか。

 こうした事案を少しずつ改善するとした場合、弊社サービスGluegent Flowを用いて、情報の入口と出口を整理して繋げる例を紹介させて頂きます。

出口情報を整理する

例えば財務経理部で利用している財務会計システムでは、以下の項目でCSVによる仕訳データの取り込みが出来るとします。

  • 仕訳日
  • 勘定科目コード(借方)(例:11001 旅費交通費 )
  • 補助科目コード(借方)
  • 金額(借方)
  • 勘定科目コード(貸方)(例:10001 現金)
  • 補助科目コード(貸方)
  • 金額(貸方)
  • 部門コード
  • etc...

 ご利用中の経費申請のワークフローでは以下の項目が入力可能とします。

  • 申請日
  • 経費の種類(交通費, 接待費等を選択)
  • 金額

 

 最終的に財務会計システムにかかる経費の情報を登録するのが目的ですから、経費申請の入出力項目を以下の様に追加変更します。

  • 申請日:ワークフローのシステムで入力した日付を自動表示、仕訳日
  • 経費の種類(交通費, 接待費等を選択)⇒勘定科目コード(借方)
  • 補助科目コード:勘定科目コード(借方)の選択によりリストが連動、申請者には入力させない
  • 金額:借方・貸方の金額
  • 勘定科目コード(貸方):固定、申請者には入力させない
  • 補助科目コード(貸方):固定、申請者には入力させない
  • 部門コード:申請者のによりリストが連動、申請者には入力させない

 Gluegent Flowでの項目の設定方法については本題から逸れるので割愛させて頂きますが、ある項目を選択すると絞り込み選択(親子リスト)等の入力補助機能が提供されており、簡易に設定変更・追加が可能です。

 また「勘定科目コード(借方)」の選択肢(リスト)のマスタデータをGoogle Sheetsで指定したり、決裁された結果を自動処理機能によりGoogle Sheetsへ出力することが出来ます。
※Google Workspace版の機能となります。

 上図の通り、財務会計システムの勘定科目コードをGoogle Sheetsへ変換頂くことで最新の科目コードを申請者が選択可能となり、決裁された結果はまたGoogle Sheetsへ転記され、CSVファイルへエクスポートして頂くことで財務会計システムに取り込むことが可能となります。

 但し、同時に以下のような手間暇を懸念されるかもしれません。

  • 勘定科目マスタを定期的にGoogle Sheetsへ変換しないといけないのか...
  • 決裁結果を毎日、Google Sheetsからエクスポートしないといけないのか...

 勿論、RPAやETLの様なツールを駆使されている方には造作も無いことかもしれませんが、共有フォルダにCSVをコピーしたら勝手に変換、Google Sheetsは勝手にCSVに変換されるといいなあ..と思うのが人情というものです。

 手前味噌ながらGluegent Flowは、オプションサービスとして「CSV/スプレッドシート同期ツール」を提供しております。

データを自動で変換してくれるCSV/スプレッドシート同期ツール

 このツールでは以下の機能を提供しております。

  • CSVファイルのアップロードとGoogle Sheetsへの変換
    • CSVのデータを全て新規のGoogle Sheetsへ変換する
    • CSVのデータを既存のGoogle Sheetsへ追加する
  • Google SheetsをCSVファイルに変換してダウンロード
    • Google Sheetsのデータを全てCSVファイルへ変換する
    • Google Sheetsのデータの未ダウンロードの差分のみCSVファイルへ追加する

 これらの機能を活用することで財務会計システムとの連携を簡素化することが可能となります。更に共有フォルダ内で変換されたCSVファイルをバッチ処理で自動仕訳として取り込むといった連携処理等で利活用頂けるのではないかと考えております。

 いかがだったでしょうか。Google Workspaceで共有された情報を更に他システムとのインターフェイスとして考えて頂くことで、現在の起案文書の見直しや業務プロセスの改善に繋がるといった副次的効果もあるかもしれません。

 システム間連携というとどうしても大上段に構え、要件を固めてリリースまでのプロジェクトとして気が重くなりがちですが、まずは一つの起案文書の入出力項目、その出口は?入口は?とお考え頂く一つのきっかけになれば幸いです。