【CEOの視点】パスワードがなくなる未来
クラウドサービスが便利なのはいつでも、どこからでも自身の管理するデータにアクセスできることにあります。 ユーザーはアクセスのためにIDとパスワードを入力し、クラウドサービスにログインします。 逆に言えば、IDとパスワードが知られてしまえば乗っ取りも簡単に行えるリスクもあります。
昨今ではGmailやTwitter、LINE等のアカウント乗っ取り被害が増えており、IDとパスワードによる運用のリスクは日に日に増しているように感じます。
新たな認証方法FIDO/FIDO2
こうしたリスクに対して、パスワードに代わる新たな認証方法としてFIDO/FIDO2が標準化されており、いろいろなサービスで対応されていますが、実態として普及しているとは言い難い状況です。 FIDOには、デバイスのみで生体認証等で認証を行うUAFと、いわゆるドングルを挿して認証を行うU2Fという規格がありますが、生体認証と相性が良いUAFはスマホでの対応がメインで、PCに関してはなぜかU2Fに各社の思惑が集中しているように感じます。
Google社がTitanセキュリティーキーというドングルを日本でも販売というニュースもありましたが、基本的にドングルでのU2Fを前提とした場合、購入コスト、管理コストがかかり、運用が面倒になりがちです。 FIDOの普及という意味では、Appleというデバイスの巨人がFIDOアライアンスに参加していないというのも業界の足並みの悪さを感じます。 Windowsでは、生体認証でログインをするWindows Hello がFIDO2認定されたことでブラウザベースでの普及の可能性はありますが、やはりドングルベースのU2Fの課題がFIDO普及の壁になるのではないかと思っています。
スマホアプリでのパスワードレス認証
一方で、FIDOとは異なるサービス側の取り組みとしてはワンタイムパスワードの仕組みを進化させたパスワードレスログインの手法も出てきています。 こちらの方法は簡単に言えば、「スマホが利用できる人は本人である」という考え方で、サービスにログインしようと試みた時に、スマホアプリに通知がくるのでそれを承諾すればパスワード入力せずにログインできるというものです。